2022/07/17(日)

ガシャンガシャンと機械が機械らしい音を立てる。子供達は親の目を掻い潜りながら、ギャーギャーと騒ぎ走っていた。さすがにこんなに機械が置いてあるところでそれは危ないだろう、という行動を取った時には、

「こら、やめなさい。」

と、親に咎められていた。

工場見学の前にたらふくお昼ご飯を食べた我々は、ヒィヒィ言いながら工程をこなした。

果てしない努力と数えきれない人たちの思い、途方もない毎時間の積み重ねを一気に凝縮した博物館は、いつも不思議だ。

例えば、あれから三年、と映画やドラマですぐに時を跨いた時と同じくらい、僕はここに至るまでの、この目の前の機械や写真にある時間の流れが気になった。

ギャーギャーと熱帯の鳥のように騒ぐ子供たちが、いまの僕の年になるまで20数年間。その頃、僕はもう今にも増して歳を食った大人だ。

そしてもちろん、その間を今から未来へ一跨ぎに行くことはできない。

「あれから20数年。」

と今を振り返った時のことを考える、なんてこと、考えられない。

なんとなく生きているだけじゃないか。

それは半分正解で、半分違う。

自分の分かる、できる範囲ではしっかりやっているからだ。

今日はちょっと涼しくて、自転車を漕いだ風が気持ちよかった。僕らはショッピングモール前の芝生にゴロンとした。

そこでも子供たちが、しかし工場にいた子供たちの何千倍も大きな声で、動きで全てを放出していた。

きっとそれは未来へ向けられたいた。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.

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