2022/07/22(金)
急な路線変更にどこまで対応できるか。
グリーンランドで60億トンの氷が溶けた。
「すみません、これ、今できますか。」
「ええ、もちろんです。」
地球と人間の生きるスピードは違う。やはり、人間は早い。そして短い。と、思うのは人間だけで、実は地球だって、銀河では早く短い方なのかもしれない。
「いやぁ、ロマンですねぇ。」
そんな中、急な路線変更にくらい、いくらだって対応するさ。
金曜日の職場は人がいつもより少ない。きっとみんな、金曜日なんかに働きたくないのだろう。特に午後はガランとしていて、僕の独占状態だった。
机の島がいくつか浮かんでいる。グレーの絨毯は海だ。
「節電ですから。」と部屋半分の蛍光灯が消された。これでは氷も溶けそうにない。
変更された路線を一生懸命走る。
今だ、今やればもう大丈夫だ。
氷が溶けてしまう前に。海に飲み込まれてしまう前に。
地球の路線がもし変更されたら、人間は今の僕のように対応できるだろうか。
それとも置き去りにされて、溶かされ、なくなってしまうのだろうか。
僕は変更された路線にいた。
後ろは振り返らない。
・・・
今日も夜が来ました。
Good night.
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