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第27話 ブラジリアン柔術との出会い | Saito Daichi

「……キャラクター同士が闘うシーンで、組み合った場合はどうすれば良いだろうか?」

 アクションシーンを描く際の深みを出すために格闘技をしようと思っていました。

 また、何事も未経験のまま書くのは自分らしくありません。

 痛みや辛さを知らず、説得力がないことをしても見ている人の心は動かせません。

 自分にできないことをキャラクターにやらせるのは気が進まないのです。

 サーキット走行もある程度おこない、アクセルターンの癖を掴み、ユーザー車検などを通してから売ったので、バイク技術や描写にはある程度詳しくなっていました。

 執筆環境も、分からなくなった時に参考文献を追加で買うくらいに落ち着いていました。

 親知らずも全て抜き、人間ドックもA判定(健康過ぎてオールAではなかった)で、YouTubeでも一通り動画投稿を終えました。

 私は3回目の接種による反応にぼんやりとしながら、熱と関節炎で動き辛くなった代償に、ネットで近場のスポーツジムを検索していました。

 極真空手と日本拳法で打撃は何となく経験していましたが、組み技はやっていませんでした。

 調べるとそこまで遠くない場所にジムがありました。

 ここに行こう。

 頭脳労働なので、打撃有りのルールによる脳へのダメージは危惧していました。

 慢性外傷性脳症に脳震盪は関係ありません。自覚症状が無くとも、脳に細かい傷ができ、時間を経て発症します。

 その点、組み技は安心です。

 私は若いうちに創作に使う体力的なインプットをしようと決めていました。

 私はジムに通う前に、YouTubeで「柔術」について調べました。

 ルールが分かると「結構楽しそうだな」と思いました。

 IBJJF(国際ブラジリアン柔術連盟)の「簡単ルール解説」をPDFで見た後、公式ルールブックに目を通して、反則行為などをしないようにある程度覚えました。

 ポイント制については当時、良く分かりませんでした。

 ただ反則行為だけは把握しないといけないと思っており、後は早く試合がしてみたいと思いました。

 空手と同じで、まずは白帯からのようでした。

 白帯とその上の青帯の試合動画を見て、全体的な流れを把握します。

 ジムに行き、入会申請書を書きました。

 バドミントンによる足の捻挫が治り次第、通うことを代表者の方に伝えます。

 この時、危険性を考えてバイクはもう乗らないと決めていました。

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