【赤ちゃんは、お父さんやお母さんとのふれあいを待っています】

正司昌子先生より、とても大切なことなので、多くの方にお伝えいただきたいと、ご寄稿いただきました。もしよろしければ、このお話しを、シェアしていただきますれば幸いです。
よろしくお願いいたします。


☆彡☆彡☆彡


ルミちゃんは、
小学校受験のため、
年中で私どもの教室へやってきました。
とても可愛い子どもでしたが、
生気がありません。
 
「お名前は?」と聞いても、
下を向いたまま、
じっとしています。
 
数回聞き直して、
やっと小さな声で答えてくれましたが、
たどたどしい言い方です。
幼稚園の名前はわからないらしく、
言えませんでした。
 
レッスンで、
ルミちゃんの好きそうな
おもちゃや教材を出し、
話しかけても、
ぼんやり眺めているだけです。
 
言葉おくれだけでなく、
この年で身についている筈の
いろいろな能力が、
殆ど育っていませんでした。
 
お母さんにお話を伺うと、
生まれた時からおとなしかったので、
育てやすい、
いい子だと思っておられたようです。
 
放っといてもぐずりもせず、
おとなしくしているので、
芸術関係の仕事をされている
お母さんは作品作りにはげみ、
お父さんも仕事が忙しく留守がちで、
子育てにはあまり
かかわっておられないようでした。
 
それでもルミちゃんは、
問題を起こすことなく、
両親からみると
よい子に育っていたので、
それが遅れにつながるとは、
全く気付いておられなかったようです。
 
ルミちゃんは、
全ての面で遅れていました。
 
ことばに関していえば、
家庭内での
母子のコミュニケーションが
極端に少なかったので
語彙が少なく、
 
聞く力、話す力、記憶力、考える力など、
ことばに関しての
すべての能力が育っていませんでした。
 
悪意は全くありませんが、
生後5年近くの
希薄な母子関係の付けは、
重いものになっていました。
 
お母さんには、
実情と、おくれた理由、
今後の取り組み方などをお話ししました。
 
その後、お母さんは、
言葉のおくれや運動、
手遊びなど、
熱心に取り組まれましたが、
入学試験は残念な結果に
なってしまいました。
 
受験当時のルミちゃんの記憶力は、
友達3人の名前や、
受け持ちの先生の名前も
なかなか覚えられず、
自宅の住所も〇〇市の下は
言えないというレベルでした。
 
しかしその後も続いた
お母さんの涙ぐましい努力が実り、
今、ルミちゃんは
大学生活をたのしんでいます。
 
これに似たケースに、時々出会います。
 
ルミちゃんは幸い普通の人生を
歩めるようになりましたが、
中には、取返しのつかないまま、
学校では落ちこぼれ、
仕事にもつけないような、
困難な人生を
送らざるをえなくなった
気の毒な子ども達もいます。
 
赤ちゃんに恵まれた
お父さん、お母さん!
 
なでたり、さすったり、
ことばをかけたり、
直接ふれて、
思いっきりかわいがって
あげてくださいね。
 
お父さんとお母さんのかかわりで、
子どもの人生が決まると言っても、
過言ではありません。
 
おとなしい子どもも、
放っといたりしないで下さいね。
 
どの赤ちゃんも、
お父さんやお母さんとの
ふれあいを待っているのです。
 
 
レクタス教育研究所
理事長 正司昌子
 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?