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キリスト教およびキリスト教徒

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古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

 日本三大祭りのひとつ、京都・八坂神社の祇園祭について書こうと思います。

 昨年(平成13年)9月11日のアメリカでの同時多発テロ事件に端を発するアフガニスタン戦争はすでに最終局面を迎え、今度は他のイスラム諸国を標的とする第二段階に進みそうな気配です。「文明の衝突」という表現を否定する人は多いのですが、そうした側面は否定しても否定し切れないようにも思います。

 テロ事件の容疑者にはアフガン人は

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稲作民の文明と遊牧民の文明──2つの植民地支配をめぐって(「神社新報」平成11年11月8日号)

稲作民の文明と遊牧民の文明──2つの植民地支配をめぐって(「神社新報」平成11年11月8日号)

「日本国民であった誇り」

 台湾人元日本兵・鄭春河さんがおっしゃったのには、ガツンと頭を殴られたような思いがした。お目にかかったのは、靖国神社の創立130年記念大祭である。

 祭典のあと、靖国会館で直会の弁当に箸をつけようとしていた、親切にもお茶をもってきてくださる方があった。横に並んで、「どちらから?」と尋ねると「台湾から」とおっしゃった。それが鄭さんであった。

 大東亜戦争が始まったとき

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「愛の宗教」キリスト教の「野蛮」──たった70年で絶滅させられたタスマニア人(「神社新報」平成9年3月10日号から)

「愛の宗教」キリスト教の「野蛮」──たった70年で絶滅させられたタスマニア人(「神社新報」平成9年3月10日号から)

「南京虐殺」「従軍慰安婦」など、「遅れてきた植民地主義国家」日本が戦前・戦中期に犯した「蛮行」が、とりわけ隣国からの非難の対象にされて久しい。

 歴史的事実の精査こそがまず必要だが、同時に、過去を暴き、批判と謝罪を繰り返すことで、アジアの友人同士、信頼と友情を回復することができるのかどうか、よくよく考える必要がある。

◇アボリジニの悲史

 古今東西、「文明人」の「野蛮」が露呈するのが戦争であ

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