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斎藤吉久
2024年5月13日 07:46
先月、政教関係を正す会のシンポジウムで、大嘗祭が稲と粟の複合儀礼であることについてお話ししたところ、旧知の神道学者から「新嘗祭と異なり、大嘗祭には粟は登場しないのではないか」というご指摘をいただきました。 著名な研究者からの指摘ですから、無視することはできません。まして、「大嘗祭は稲と粟の複合儀礼ではない」ということだとすると、私の年来の主張はもう一度組み立て直さないといけなくなります。
2024年5月13日 07:38
日本人が主食とするだけでなく、神々への第一の捧げ物とされる米、つまり稲は帰化植物である。日本列島からは野生の稲が発見されていないから、そう断言できる。 稲はどこからやって来たのか、稲作はどのように伝わってきたのか、を探ることは、同時に日本人のルーツを突き詰めることでもある。 ここでは神話学の成果をもとに、考えることにする。『古事記』『日本書紀』には、2つの稲作起源神話が描かれている。