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御代替わりの儀式──践祚、大嘗祭そして改元まで

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平成の御代替わりでの議論は徹頭徹尾、政教分離がテーマでした。そして令和の御代替わりもまたしかりでした。天皇がなさる儀礼には宗教性があるということなのですが、それは如何なるものなの…
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#大嘗宮

「昭和天皇の忠臣」が語る「昭和の終わり」の不備──永田忠興元掌典補に聞く(「文藝春秋」2012年2月号)

「昭和天皇の忠臣」が語る「昭和の終わり」の不備──永田忠興元掌典補に聞く(「文藝春秋」2012年2月号)

 昭和から平成への御代替(みよが)わりから20年あまりが過ぎた。今上陛下は78歳(当時)。推古天皇以後では、江戸期の霊元天皇と並ぶ、歴代第4位の御長寿となられた。歴代天皇は若くして退位されており、75歳を超えてなお皇位に就かれているのは、昭和天皇と今上天皇以外にはない。

 陛下はまだまだお元気だが、ご高齢なうえにガンを患われ、療養中だ。15年には前立腺ガンの手術をお受けになり、20年には不整脈を

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やはりそうだったか、令和大嘗宮の違和感──宮内庁さま、経費節減はまだしも政教分離違反では?(2019年12月08日)

やはりそうだったか、令和大嘗宮の違和感──宮内庁さま、経費節減はまだしも政教分離違反では?(2019年12月08日)

前から気になっていたことがありました。大嘗宮周辺の地面の色です。

遠目で見ると廻立殿と大嘗宮の周りだけが白く見えます。プレハブ幄舎の屋根のように、白いビニールを敷いたのか、まさかそんなことはないだろうと疑っていました。

それで方々に話を聞いてみたところ、前回同様、細かい白い砂(砂利)を敷いたというのです。もともと芝生があったところなどは、「歩くとフワフワする」ようです。

でもヘンなんです。中

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宮中祭祀の「秘儀」たる所以について ──独り歩きする折口信夫の真床覆衾論(2009年3月17日)

宮中祭祀の「秘儀」たる所以について ──独り歩きする折口信夫の真床覆衾論(2009年3月17日)

 拙著『天皇の祈りはなぜ簡略化されたか』の出版がきっかけで、内輪の講演会が行われました。熱心に聞いていただき、畏敬する名誉教授からもお誉めの言葉などを頂戴し、手応えを感じた一方で、新聞記者出身のある大学教授からいただいたコメントがいまも頭から離れずにいます。

 きょうはそのことについて書きます。つまり、宮中祭祀の秘儀とは何か、です。

▽1 新帝は大嘗宮で何をなさるのか?

 私の大学時代のサー

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