初めてのメンタルクリニック受診前にやっておくべき3つのコトについて

 20代から「アルコールの問題」で悩んだ私が、30代に入り、ようやく専門の『メンタルクリニック』を受診するまでに至った経緯と、受診前にやっておけば良かったなあと後悔した3つのコトについて、書いていきたいと思います。

なぜ受診しようと思ったのか

 自分では20代前半の事から、酒を飲む機会や量が多く、もしかすると『アルコール依存症』ではないか、と気になっていました。中島らも氏の著書である「今夜すべてのバーで」を読み、一気に確信へと変わるのですが、それでも、心のどこかではオレはまだ大丈夫、という気持ちで生活をしていました。

 しかし、30代に突入し、休みの日には朝から、そして果ては仕事中さえもアルコールを飲むようになり…。恥ずかしい話ですが、記憶が飛ぶようになったり、血便が出るようになったりとした日が続きました。さすがに、コレはまずいと思い、酔った勢いで、メンタルクリニックへの連絡を決意しました。

受診前に感じていたこと

 メンタルクリニックの受診を決めたものの、私はかなり不安でした。というのは、メンタルクリニックといえど、それは『精神科』である、といった強いイメージがあったからです。待合室で、変な声をかけられるんじゃないか、もしかすると、患者同士のいざこざに巻き込まれるんじゃないかと、内心ビクビクしていました。

受診してからの変化

 ビクビクしながら、メンタルクリニックの受診日がやってきました。その日は、妻は仕事であったため、私が独りで向かったのですが、奥さんと一緒に来られている方、親と一緒に、そして会社の上司と一緒に来られている方もいて、なんだか驚きました。

私は独りで、病院の扉を開け、エレベーター近くにあった掲示板を眺め、『断酒会』や『AA』、『院内ミーティング』など、様々な催(もよお)しがあるのを知ったのですが、最初は全く興味を持てませんでした。

それよりも何よりも、これから受付を経て、待合室で待つ事の方が、怖かったです。『ああ、ついに、オレもここまで来てしまったか…』と、自分で認めるのが、すごく嫌だったのを覚えています。

 しかし、それから数年が経ち、現在も月1で通院をしているのですが、今の私は、以下のように感じるまでに変化しています。

受診する前にやっておくべき3つのコトについて

 簡単ではあるものの、私が初めて『メンタルクリニック』を受診した際を振り返って、皆さんにやっておいた方がいい3つのコトについて、挙げていきたいと思います。私自身、すごく戸惑ったことですので、これから受診される皆さんのお役に立てればと思っています。

1.メンタルクリニックを複数ピックアップしておく

 もしも、『メンタルクリニック』に行くことを決意された場合には、1つだけではなく、複数のクリニックを候補に考えておくべきです。と言うのは、半年先まで予約で埋まっているクリニックが少なくないからです。私自身、意を決して電話をかけてみたものの、第1希望であった1件目は3か月先で予約で埋まっており、改めて別のクリニックを探さざるをえませんでした。

 私の中では、もの凄くエネルギーをしぼり、勇気を出して電話したのに、『受診できないのかよ…』と当時は物凄く凹(へこ)んでいました。運よく、すぐに次の病院が受診できることになって助かりましたが。皆さんには、そのような気持ちは味わってほしくないので、あらかじめ複数のクリニックをピックアップしてから連絡する、という方法をオススメしたいと思います。

2.自分のアルコール史を作っておく

 これは、そのクリニックによって異なると思いますが、初めての受診の際に、あなたがいつから、どれくらい飲むようになったか、その頃の状況はどうだったのかを、詳しく聞かれる事があります

私の場合には、そのクリニックの臨床心理士の方に聞き取りをされたのですが、「さっきと言っている事が異なっていますが?」「それって、5年前ですか?6年前ですか?」など、かなりキツめに聞かれました。長年のアルコールで脳がやられた状態であったため、大まかな事しか記憶になく、本当に返答に困りました。その場で、いきなり思い出すという事は難しいと思いますので、受診前に、自らメモして臨んだ方がいいかと思います。

3.「節酒」にするのか「断酒」にするのかを決めておく

 最近のメンタルクリニックでは、「節酒」にするのか「断酒」にするのかを自ら決めさせる事の方が多いようです。例えば節酒を選択した場合であれば、飲酒欲求を下げる薬を服用する、断酒を選択した場合であれば抗酒剤を服用する、など薬の服用も分かれます。

 私は当初、「節酒」を選択し、『飲んではいけない日』だけ抗酒剤を服用していました。2年くらい、そういった時期が続いたかと思います。しかし、おおかたの予想どおり、抗酒剤を服用しない日が続き、アルコールでのトラブルが続いていったんですね。それで、ある時期をさかいに、完全断酒へと切り替え、今に至っています。

 とはいえ、自らがどうするかを決めない限りは、結果的に、また飲み過ぎる生活へと戻ってしまいます。ですので、そこはあくまでも自らのモチベーションと、自らの望む未来をしっかりと考えて、選択すべきだと考えます。

 以上、『初めてのメンタルクリニック受診前にやっておくべき3つのコトについて』でした。お読み頂き、有難うございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?