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5W 1H と「1L」という考え方

 5W1Hが、わかりやすい文章を書くための大事な素材であることを前回お話ししました。
  例えばあなたが人気ミュージシャンだったとしましょう。次回のライブの予定を告知するための文章を書く時、「いつやる」か。「どこで」やるか。これは必要な情報です。ただ、そこで「なぜやる」か、という情報が必要かどうか考えてみてください。「いつものライブの告知」であれば特に書く必要がないかもしれません。ただ「今回はこういうテーマを持ってライブをやりたい」と思うなら、それはセールスポイントになりますので書いた方がいいというケースがあります。
 「誰がやる」か、についても新たな共演者がいないのであれば、書く必要がないでしょう。目的によって、ケースバイケースで5W1Hを使えば良いのです。

 「新しい情を広めることが目的」のニュース記事や論文であれば、5W1Hを満たすことで最低限の文章は作れます。ただし、それ以外の目的を持った文章に関しては、これだけだと意味不明になってしまうケースがあると認識してください。
5W1Hに加えて、さらに大事なことは「1L」です。僕は5 W 1 H +1 L と言っています

 5W1Hで、現在の状況を全て伝えた上で、更に文章を読んだ人に「何をさせたいか」。それが目的を持ったテキストに必要なことです。
 そこで必要になるのが「Let’s(さあ!)」。「Let’s」の「L」です。ここは意識をしたい重要なポイントです。多くの場合、テキストを読んでもらい、読者に「何をさせたい」かが目的、結論になるからです。結論がない文章ってわかりにくいですよね?。
 レシピを書いて終わりではありません。結論は「作ってみて!美味しいよ!」です。
 SNSやブログで自分の持っている大事な技術を伝えて、それで終わりではありません。結論は「私をフォローして!」「私を覚えておいて!」「私と一緒に楽しもう!」ではないでしょうか?
 業務のレポートを書いたら「順調なので続けましょう」や「問題があるので改善しましょう」出会ったりするはずです。
 そこには、個人や、企業の欲といってもいいかもしれません。それでも、立派なテキストの目的ではあります。
 「L」の要素を入れ込み、結論を提示することでテキストの目的がはっきりさせましょう。

 ちなみに高級ブランドのホームページって見たことありますか?そこでは「L」は控えめです。「買ってください」とは絶対に書きません。「こんなに素敵!」で終わります。それは、あくまで高級ブランドは欲をむき出しにしないことを美徳としているからです。でもその裏には「ステキになりたいあなたには買って欲しい」というメッセージが潜んでいます。読んだ人の心を動かすために、ホームページは作られているんですから。そういう意味では「あえて言葉にしない」場合もたくさんあります。ただ、その目的と「Let’s」を読者に伝えようとする気持ちだけは忘れないようにすること。
それが、がわかりやすい文章には大事なことなのです。

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