DTM環境:線維筋痛症患者の例 その1【ベッドに仰向けで、トラックパッドを使う】
はじめに
以前書いた記事で、
「闘病の身な上で何とか創作活動をするなら、現状DTMが負担が(小説やnote執筆,イラストより)少なめ」
という話をしました
負担の順番をざっくり示すと以下の通りです
イラスト(規範的なアニメイラスト作り)
→作曲(楽譜による記譜スタイル)
→小説,記事執筆
→DTM(iPhone,iPad)
※上記作業は全てPCで行おうとすると負担が倍増する
闘病中のDTMについて記事を書きたいと思った理由は、以下3点
1.難病などの闘病をしながら創作活動をする方達の励みになって欲しい、また語り合うきっかけになって欲しい
2.DTMの合作をしたいなという思いがあるが、自分の状況が特殊なので、しっかり説明した情報を記録に残して話をスムーズにしたい
3.DTM仲間自体は増えてきたが、作業環境の前提の違いにより話に入れずモヤモヤする場面も増えて来たので、その解消
あまり病状に重きを置いた文章を書くと、読む気を無くしてしまう方が"多い"と思うので、闘病そのものは別記事にして投稿します。
現在の作業環境になる前の大雑把なDTM状況
5点にまとめます
1.まずPCでネットサーフィンや動画視聴以上の作業が出来る状況ではない
2.GarageBand(iPhone,iPad)を何度もトライしているが、所謂典型的な打ち込みが出来る体調ではない
3.鍵盤でメロディを奏でる練習をすると、上達より痛みが上回ってしまう
例:ハリーポッターヘドウィグのテーマ(簡易版の右手を両手演奏)をある程度反復練習すると首、肩に痛みが出る
4.記譜&自動演奏アプリNotion(iOS,iPadOS app)に記譜しようとしても、トラックパッドでは誤動作が頻発し、フィンガータッチでは首肩その他の負担大
目が悪くホワイト背景を長時間見れない
(尺20秒の曲を記譜する合間で痛みが何度も出て作業が中断されるレベル。体調の慢性的悪化がこの時点で心配されるレベル)
5.数年間の闘病生活による金欠により、「機材を買って試す」ができない
DTMコミュニティで解決策を募ったりしましたが、解決には至りませんでした。
彷徨っていた当時は
「MIDIコントローラーが板状キーボードだとどうしてもきついから、ゲームパッド状もしくはウィンドシンセ”形状”の楽器,コントローラ(で"息を吹き込む"動作がなく音階を奏でられれば)が身体に比較的優しそう」
と思っていました。
しかし、目的に合うギアはありませんでした。
シーケンサーアプリ
何度も音楽系アプリを探索していると、あるアプリを偶然見つけました。
Poly2です
演奏、創作例
①iPhone縦画面、アプリ単体
Poly2 (No Talking) 2024/4/29
Poly2 (No Talking) 2024/5/9
②DAW連携し他の音源と合わせたりMIDIシーケンサーとして
こちら、円盤上にトリガーを配置していって、色によって鳴らすノーツ,アルペジオ,シーケンスを指定できるというものです
複数シーケンスを単一アプリ内で合算でき、またポリリズムとして柔軟にトリガーを配置できます。
このアプリがトラックパッドとの相性がよく、またiphoneの手打ちでも比較的負担の少ない仕様だったのです。
"DAW"を求めると出てこないミキサー、「AUM」
Poly2は無料版と有料版があり、有料版は
・DAW連携
・MIDIコントローラ化
ができます。
※有料版はIDに紐付けされず、端末買い切りです。
しかし、ガレージバンドでの使い勝手は悪いものでした。
YoutubeでPoly2の使い方をより深く知ろうを検索をかけると、自分が今まで全く見た事のなかった"DAW"を使ってPoly2を操作している動画を発見しました。
それが「AUM」です。
AUMは「ミキサー」に特化したアプリであり、AUMアプリ自体には音源はひとつもなく、ステップ入力もない。
メイン画面には各オーディオユニットを横に並べて、アイコン下部にボリュームゲージ、左側にエフェクターなどの追加空間がある、という非常に簡素なアプリです。
使用例:
①前項目「Poly2」のMIDI活躍動画
②ドラムマシンappとモジュラーシンセappを複製して起動し、AUMで繋げArtCore作成
③iPhoneでの使用例
iPadをトラックパッドで操作する私にとってこの"シンプルさ・操作性のよさ"はドンピシャでした。
日常でブラウジングをしたり、身体を休ませつつ気を紛らしたい場合
「ベッド上で仰向けに寝て、隣の机からタブレットアームスタンドを伸ばし、天井の方向を見ればタブレットも見える」という状況にしています。
目が悪いので(これは"病気的に"というニュアンスです)負荷を極力減らしたく、そうすると「手を伸ばしタッチ操作」は無理な距離です。
そんな状態ではマウスも通常のは使い辛く、iPadに1番合ってると感じられたのは純正トラックパッドでした。
この作業環境に合う"DAW"がAUMだったのです。
なぜ"DAW"とダブルクォートで囲んでるかと言うと、主に日本では、このアプリはDAWとして扱って貰えてないです。
アプリ自体がマイナーすぎて、iPhoneアプリのDAWランキングなどでも1度も見た事はなく(8月7日現在でも)、もしたまたま話題にあげてる人を見かけても、「ミキサー」として、「なんか独特なアプリが出た」と話題にちょろっと挙げてる程度でした
(アプリを知った状態でnote検索すると数点記事が出てきましたが、その程度)
海外コンピュータミュージッククリエイターでの人気に対して日本DTMer内でのマイナーさはびっくりするレベルです。
日本語でDTM検索頑張っても辿り着けないでしょう。
AUv3形式
AUv3はAppleが開発したオーディオユニットのプラグイン形式です。
通常iPad,iPhoneはサンドボックス設計で、複数アプリを同時に使えません。
ただし、上記プラグイン形式はホストアプリ(DAW内部)で複数起動可能です。
そして、シーケンサーとシンセサイザーを合わせ、ホストアプリをAUMにすることで、複数ウィンドウを扱いながら上記筆者の環境でもDTMが一定のレベルで扱えるようになりました。
ホストアプリを使わない場合でも、海外コンピュータミュージックの文脈でAUv3を基軸に色々探索することで、必要な情報が集めやすくなりました。
ステップ入力のしやすさ
1曲を一直線上に各トラックを入力していくタイプの(おそらく1番メジャーな)ステップ入力はまだ負担が大きくできないのですが、この「ステップ入力」、アプリによって入力のしやすさがかなり違います。
しかも、このステップ入力のしやすさという尺度は実際にアプリを(購入して)操作してみるまで分かりません。
ここに入力が比較的しやすいアプリを2つ挙げます
Seaquence
使用例:筆者Xアカウント投稿
Fugue Machine
使用例1:深夜の2時間DTM お題:月面を歩く
使用例2:
※Youtubeの方は動画内では表示していませんが、「深夜の2時間DTM:月面を歩く」で確認できるステップ入力アプリをMIDIシーケンサーとして使用。
(入力難度の具体例は後日書きたい)
そんなこんなで、現在闘病生活の合間にDTMで創作をしています。
合作
合作欲はあります……自分の持っていないセンスを導入したり、複数人だからこその面白さがあると思うのです。
しかし、ここまで書いて来た経緯があり、なかなかSNS上での合作依頼などに返答、リプライできない状況でモヤモヤしています。
以下が、自分の状況に合わせたオンライン上の合作依頼です
※読んでいただいた方がみな合作したいかと問われれば当然違う、というか違う人が多数だと思うのですが、長年闘病中の人がDTMを介しての人との交流にどういうスタイルを知っていただけるとありがたいです。
「参考動画→解説」の順で掲載します。
参考動画①
IceGear公式
Redshrike + Kronecker
参考動画②
元P-Modelメンバーのシンセ即興セッション
小西健司×福間創 “Red LaBre Code”
参考動画③
筆者が投稿した「〇〇に合わせて演奏してみた」動画
(音波のビジュアライザーを編集し逆算して音を合成するシンセサイザー)
【Synth Cover】幽体離脱/ピーナッツくん et al.【合わせて演奏してみた】(再up)
解説:
(iceGear公式の動画は1人で行っていますが)1人1端末(1機材)でシンセサイザーを合奏,セッションする
もしくは、一方が事前録音したものに合わせてもう一方が演奏する
また、筆者作の音楽をオケとして歌やメインメロディを新たに追加していただいたり、Remixなどは「@ColorfulHorus」にご連絡いただけると嬉しいです。
私も交換Remixなどしてみたい。
上記はDTMer同士のコラボ、合作イメージですが他にも、
・映像クリエイターの方に③やのように映像編集していただいたり(映像と音を合わせたり多少のカット、フェードなどをつけるだけでも演奏そのものより大変なので)
・映像クリエイターの方に音楽をつけたり、
・逆に僕の演奏に映像をつけて頂いたり※(記事最後に注釈)
出来れば面白いかなと思っています。
おわりに
ここまで読んで頂きありがとございます!
iPhone,iPadでの創作を今後もしていきますので、聴いていただけると嬉しいです。
◇各種リンク
Youtubeチャンネル:彩色彩兎(Ayato)
X(旧Twitter):@ColorfulHorus
欲しいものリスト:1.闘病生活補助,2.MIDI
noteマガジン:生成AIに対してどう思っているか 考察
(筆者個人は使わないと決めているが立場は中立…俯瞰的。冷笑や無関心ではない)
※余談1:音楽と映像の好みのマイノリティ
実は、自分は音楽的好みと視覚的好みの不一致を起こしているようで、ここ数ヶ月で気づきました。
というのも、僕は無調音楽が子供の頃から好きなのですが、無調音楽が映画やゲームなどで好まれる場面はホラーです
しかし、僕はホラーが苦手、心臓にも悪く嫌なのです。健康状の被害が出るほどのトラウマになったり睡眠障害が出たり……
Youtubeでは無調音楽と検索するとまずホラーサムネイルがトップに出てきたり、結構困りもの。これ、日本語特有で、英語,ドイツ語検索でホラーに絡めた情報はメジャーじゃありません。音楽は音楽として語っているし、無調音楽=ホラーみたいな短絡的発想は無い
あと、DnB、ブレイクコアが好きなのですが、ブレイクコアで選ばれがちなジャケットやYoutubeでのイラスト(人体が切れてる系)も嫌で、避けてた結果逆に自分の好きなジャンル名分からず全然ディグれてなかったなんて経験も
なので、そうい傾向を回避してMV共同の話などをSNSで探索仕様にも、一向に見つからなかったりするんですよね。
フッ軽でそうした募集依頼に声かけて話進めるのもここまで書いてきた筆者状況により厳しいので、ここで吐露させて頂きました。
※余談2:アシスタント
合作共作の項目は「①オンラインかつ ②自分の状況を理解してもらいつつ ③対等な関係値でコラボできるように」という前提の文脈であったし、それが"主張の優先度"として1番高いものであることを念頭においた上で下記吐露をさせてください
闘病生活で日々頑張って病状悪化を回避しつつ創作を両立してやろうとすると、「アシスタント」を求めたくなります。
現在使わなくなったNotion(記譜アプリ)は病状と相性が良くなかったのですが、一応評価のため + 創作残すために以下の30秒未満の小曲を作りました。
こちらが指示を出して記譜手伝いしてくれるアシスタントなど求めていたりしますが……そうなると自分が雇い主になって仕事上の関係がセオリーですよねえ……しかしそんな金銭的余裕はない
もっと知名度あげて金銭を得たり、アシスタント的人手を受けられるくらいにビックになりたいです。
十二音技法でオペラ化したいなと思ってる自筆の戯曲があるのです……
もちろん、お互いの楽曲制作で自分のシンセ演奏、打ち込みが相手への助けになるのなら「お互いの曲作りをお互いがアシスタントする」という点で対等だと思うのです。
ただそういうのはオフライン的関係値故な活動で
(知人同士の漫画家が忙しい時に相手作品のアシスタントし合う光景がイメージしやすいか)
ネット上の創作コミュニティで求めるものじゃあないんですよね。
今は自分のできる範囲のソロ創作を出して、Xアカウントを伸ばす時期です。
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