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夜・曖昧・解明しない【戯言】

『こんばんは。今日もおつかれさまです。』と、noteのテキストページに文字が綴られている。ほんわかする言葉に感動。ひらがなって言うところもいい。ほっこりする。ほっこりした。さて。

夜について。少しだけいいですか。

 夜の境界線の曖昧なわけを考えない。解明しない。ただ書くだけ。書き留めるだけ。夜が好きな理由それは、夜はすべてのモノをぼけやさせてくれるから。輪郭を縁どらないから。
 とにかく全てのものが曖昧それが夜というもの

 昼間くっきりしていた物事も全部どこかすーと溶けだす。きれいなモノも、汚れたナニカも、夜は同じく映しだす。影ができる。

 橙色の明かりが奇妙に路面に伸びる。『止まれ』の白いペイントを淡い橙に染めている。人の顔も街灯の影になっていてよく見えない。表情もわからない。笑っている。泣いている。怒っている。不貞腐れている。つまりみんな機嫌がよくて、不機嫌だ。

 夜ノ影ハ曖昧ダ。

 夜風にささやく樹木の音も。どこから聞こえてくるのか。わからない。気のせいかもしれない。涼しい夜。ここちよい微風。足音。気のせい。ふり返っても誰も居ない。自分の足音ふっと笑う。歩く。足音。ついてくる。

 夜ノ気配ニ身ヲ寄セテ。

 冷たいコーヒーを買う。コンビニはLED照明のもと、輪郭をはっきりくっきり縁どっている。不機嫌そうな人の横顔。スイーツ眺めて頬が緩む。気のせいでなく、口角があがる。店員たちの笑う声。キュキュと床を蹴るような力強い足音。夜を急ぐ人の足音。こわい。納豆巻きを手に取る。レジへ。

 夜ニモナルト空腹ダヨネ。

 自動扉の開くのを待つ。コンマ3秒立ち止まる。ちがう。これは。手動のドアだ。耳が熱い。「そんなことは知っていましたよ」ふうを装う。右手にガラス戸を押す。扉の向こう。夜がひろい。ふり向くことはできない。眩しすぎる照明に目がくらむだろうから。

 夜ノ影ハ曖昧ダッタ。

 今にも物語が始まりそう。もしかして、もう始まっている。

 夜ノ世界ニ溶ケ込ンデ。
 すると見える。
 不思議ナ光景フシギノ住人。
 わくわくするよね。どきどきするよね。
 境界線ハ何処ニモ無イカラ。

 以上です。

 この至って訳のわからない感情は何でしょう。小一時間夜の道を散歩しただけなのに。へんな心地です。奇妙な色を見た、そんな気がします。物語に夜はつきもの。猫目は夜が好きです。朝も昼も夕方も好きだけれど。それでも夜になるとこんなに心躍る。どうしてだろう・・・足音。

 

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