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文章上手いって、ほ。

先日、ある編集者のかたに「文章も上手いですし」とさらりと言われ、うれしさのあまり「ほんとうですか」の「ほ」の字しか口をついて出てこなかった猫目です。みなさま。こんばんは。

今日は、褒められる(評価される)ことのありがたさと、日頃の感謝を口にする効果についてお話させていただければと思います。

褒められるだけで自信につながる

先月、土曜日にYouTube動画を制作しているクライアントさんと夕食をご一緒しながら、YouTube脚本の打ち合わせをしました。

はじめてお会いすることもあり、ただでさえ、わくわく心躍っていた猫目の鼓動をさらに早めたセリフがこちら。

「(中略)……だってこんなにいいもの書いてもらっているので……うんぬん」

不意打ち!

今、いいものとおっしゃいましたか。

おそらく数秒のタイムラグのあと、恥ずかしさを隠すため、猫目の言動は不可解をきわめておりました。具体的にはとつぜん前のもつ煮を口いっぱい頬張りはじめたといったところでしょうか。

大人なのだから、そろそろ素直にひと言「うれしいです」といい給え。と心のなかでつぶやいてみたものの実際は「う」の字も出ない。

まあね。口の中には大量の牛もつが詰めこまれていて、それどころじゃないのだけれどね。一刻も早く もつを喉の奥へ押し流したかった。しかし、あまりの数を一気に頬張ったものだから、なかなか噛み切れない。いかんせん もつですから。ただでさえ噛むのに時間がかかるでしょうに。アホ。

失礼、話が脱線しました。
本題に戻します。

つまり、申しあげたいことは1つきりです。

”褒められるだけで、ひとは無性にやる気に満ち、結果として良い循環を生みだすことができる”ということただ1つ!

たとえ言葉の真偽がどうであれ、このように文章について評価をいただけるというのは、それだけで俄然やる気が漲ります。あらゆる執筆が潤滑に進み、まさに好循環が生まれます。誠にありがたいことですね。

さらに深堀りすると、"褒めていただいた"というよりは"喜んでもらえている"ということにうれしさを感じてしょうがないわけです。

クライアントさんが喜んでくださっている
= ユーザー(読者や視聴者)にある程度満足していただける可能性がある

ひゃっほーい。

話を聞いてほしいときこそ、日頃の感謝を

相手に肝心な話を聞いてほしいときこそ、日頃の感謝を口にする。このことが、どれだけ大切なことなのか、猫目は高校生のころにはじめて気がつきました。

それは、猫目が高校生のときに飲食店でアルバイトをしていたときのことです。そこは個人経営の焼肉兼居酒屋さんでした。

その日、普段は4人でまわしているシフトに穴があき、ちっともまじめに仕事に取り組まない後輩くんと2人きりで業務にあたることになったんです。

うわあ、最悪だあ。

と、早くも心の中で毒づきながら、猫目はタイムカードを打刻しました。

そして案の定、後輩くんは勤務開始直後からやる気がなく、店長の目を盗んでは携帯電話をいじるという体たらく。

このままでは4人ぶんの業務をひとりでこなさなくてはならない・・・その恐ろしさに耐えかねた猫目はさっそく後輩くんに釘を刺します。

「今日は人が少ないから、いつもの倍 頑張ろうね」

後輩くんはどこか笑いを含めた声で「っすね」だとか「たしかに」だとか一応は返事をしてくれました。が、その返事とは裏腹にかれはその後もカウンターに腰をかけてレジの前に突っ立ったきり。

たしかにお客さんがお会計となれば、対応はしてくれました。しかし、それ以外の時間(レジにお客さんの姿がない時間)でも厨房は大忙しです。

シンクに大量の食器の屍、グラス、ビールの空瓶、さらに配膳カウンターには料理長が盛りつけたお肉やらおつまみやらがあふれ返っています。

そこへ各テーブルから「すみませーん」の声がひっきりなしに飛んでくる。

もう、帰りたい。

さすがの猫目も堪忍袋の緒が切れそうになったわけです。そして、顔中をぽっぽと蒸気させながら、かれに向かって口をひらいたその刹那、猫目の脳裏にある情景が思い返されました。

それというのは、普段おおよそ不真面目な後輩くんが出勤時には必ず水槽の金魚にエサをあげていた、ということです。

飲食店だったので入口先の金魚にエサをあげることは、いわば、業務の枠外。とはいえ、後輩くんは至極まじめに金魚にエサを与えていたのですね。猫目は少なからずその姿にギャップを覚えていました。

そして、猫目はごく普通にそのことを口にしてみたんです。

「後輩くんっていつも金魚にごはんあげてくれるよね。あれ、だれもやらないから助かるよ。金魚が元気なのって後輩くんのおかげかもね。ありがとう」

本当に、それだけだったんです。

たったその一言で、なんと後輩くんはその後、驚きのセリフを口にします。

「俺、次なにやったらいいっすか?」

うそーん。そんなことこれまで一度も聞いてくれたことないじゃないですか。猫目はその時とても素直にうれしく思いました。内心では「え? なにか仕事をしてくれるの?」と歓喜しながらも、むろんその言葉は内に秘め、代わりに言います。

「食器洗ってきてくれたら助かる、まじで」

すると、どうでしょう。

かれは、びっくりするくらい素直にシンクへ立ち、グラスを洗い、手早く食洗器に食器を並べてスイッチオン。

猫目はただその様子を、かれの背中を、言いようのない感動を秘めて眺めるばかりでした。

しかも、濡れるからといってかれは携帯電話をロッカーにしまいに行かれたのです(後輩くんはたいてい携帯をジーンズのポケットにねじ入れていました)。

今、にわかに信じがたい光景が目の前にひろがっております。その日の22時。なんとか勤務を終え、猫目ははじめて後輩くんと一緒に帰宅(家が割と近所でした)、はじめてかれが熱帯魚の飼育に興味があることを知りました。

ちなみに店の金魚はデメキンでした。記憶上では・・・。

そのときからです。相手になにか大事な話を聞いてほしい(お願いごとをする)ときには ”まず日頃の感謝を口にする” ということを会得したのは。

今では、この教訓を教えてくれた後輩くんには感謝の気持ちでいっぱいです。なぜなら、そのあと どの職場のどのようなケースでもたいていは「まずは日頃の感謝を口にする方式」でうまくいっていたからです。もちろん現在進行形で。

よくひとに注意するときは、その前に褒めるべしと実用書などに記載されているのを目にしますが、きっとあれは事実です。

頭ごなしに注意したところで、大概のひとは聞く耳を持ってくれません。のみならず、反骨心剥きだしで反論に継ぐ詭弁をふるまってくるという始末になりかねません(反論も詭弁もときに良い味方なのですが)。

そんなときは・・・

まず①日頃の感謝を口にし、②その件について褒め、③それから改善してほしいことを話すにかぎります。

この手順でいけば、ほとんどまちがいなく、ひとは最後までしっかり話を聞いてくれます。先に注意をしてしまうと相手はどうしてもそのことが気になり、ときに落ちこんでしまい、肝心な話はまるで耳にはいってきません。

また、ひとは感謝の気持ちを先に知ってしまうと、そのあとで頼まれたお願いごとを断りづらくなるという心理が働くといわれています。

猫目もそうですが、おそらく多くの方が身に覚えのあるお話なのではないでしょうか?

日ごろの感謝を口にされ、褒められて気分を悪くするひとはあまりいないでしょう。どうか皆さまも相手になにか重要なことをお願いしたいときは、ぜひ感謝の気持ちを伝えてから本題にはいってみてください。きっと関係性も仕事の効率もあがると思います。

無料素材から拝借いたしました、ベタ。じつはベタも熱帯魚の仲間なんですよね。ちいさな水槽で飼育できることから最近ではとても人気の高いペットとして注目されています。おすすめは「コイベタ」といって鯉の模様をしたベタ!とっっってもきれいなお魚さんです!

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