6月オケ練③/発表会曲決め
6月3回目のオケ練習会は、チェロトレーナーのM先生がトップに座ってくださったので、とてもスムーズに練習が進んだ。
トップのMさんの話では、チェロは他のパートと違って(!?)、指揮者の言うことを黙って聞くので、指揮者の不満の吐口になりやすいのだそう…(ソレって、どうなのだろうと思うけど)。
ああ、だから指揮者のH先生、先日トップ代理だった私への当たりがキツかったのか(弾けてないのも事実だけど)。
★★
全体練習を終えてから、チェロパートだけでロビーコンサートの練習会。
トレーナーM先生に聴いてもらい、曲数を4曲から2曲に絞った。
ロビコンのトップはいつものMさんではなくHさん。飄々と難曲を弾きこなす方。
方々のオケやアンサンブルで弾いている人なので練習会参加回数は少ないけれど、いらっしゃると安心。
隣で一緒に1stを弾く私は、とても心強い。
私が難しくてまだ弾きこなせていない部分があることを責めたりしない。
一緒に時間いっぱい練習させてもらい、こんな私でも一通り弾けるようになった。
ありがとうございます。
★★
帰宅後、チェロ先生へ、発表会の曲についてLINEを送った。
「バッハのアリオーソはどうでしょう?スズキの4巻に載っているやつです。」
先生から即レス。
「なるほどね。実は僕もアダージョを考えてた。」
何ですって。奇遇すぎる。
「コレなんかどう?」
“アダージョ Op.38”
ヴォルデマール・バルギール 作曲
バルギール?聞いたことがない。
「僕も知らなかったんだけど。
数年前にイッサーリス(チェリスト)がリサイタルの最後に弾いたんだよ。なかなかいい曲だったから調べたんだ。
バルギールはね、クララ・シューマンの異父弟。」
クララ・シューマンの弟!
クララといえば、私が今オケで苦しんでいるブラームスの弦楽六重奏。
ブラームスは人妻クララに禁断の恋をしながら弦六を作ったのだ。クララに捧げる曲だったに違いない。
後にもっと突っ込んで調べてみたら、バルギールはブラームスと一緒にシューマンやショパンの作品の校正をやっていたのだった。
ブラームスはどんな思いでクララの弟バルギールと一緒に仕事をしたのだろう?
バルギールはブラームスが姉に恋心を抱いていることを知っていたのだろうか?(クララとバルギールは仲良しきょうだいだったらしい)
想像すると、楽しい。
クララとブラームスの間に立つバルギールの曲に触れれば、何となくブラームス弦六を俯瞰して見られるような気がする(あくまで“気がする”)。
先生が楽譜のファイルを添付してくれたので、早速音源を探して(あまりなかった)譜読みした。
なにコレ…カッコいい。
「センセ、コレ、ほかのお弟子さんが弾いたことありますか?」
「ないね。どう?気に入った?」
う…。
さすが長年私を見ている先生。私の好みをよく知っている…。
私に”とっておき“を出すことで、発表会日の連絡と私が予約していた曲を忘れたことを帳消しにするつもりだろう。
きっとドヤ顔でレスしているはずだ。
“気に入った”と返事をすることが悔しく、私は別な質問をした。
「ほぼハ音記号(高音ポジション)ですね。私に弾けるかな。」
「ゴルターマンのセレナーデの1stをマスターしたのであれば、そこは問題ないだろ。」
「曲が10分近くあって、長いですよ。」
「前回の発表会、フルートのトリは12分だった。だから、許容範囲内。」
先生がスマホの向こうでニヤニヤしているのが目に浮かぶ…悔しい。
「検討します。」
そう返事をして、LINEを閉じた。
もうほぼ決定だろう…。
次回のレッスンまでに一通り弾けるようにしていこう。