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7月チェロレッスン②:ご機嫌な師匠

定期検診のために、いつものS先生の歯科を受診した。

前回、日中の歯軋りが酷いことと、唾液が足りず、口の中が乾燥していることを指摘された(乾燥するとむし歯になりやすいのです)。

歯科衛生士さんによる歯石除去の後、S先生登場。
「歯軋りは改善されてるみたいだけど、」
と言いつつ、私の口の中を指で隅々までなぞり始めた!?

その触り方はちょっっっと!?

私の口から出した指を眺めたS先生、
「ん〜、もっと濡れてほしいんだけど。」

イケメンがソレ言っちゃダメでしょう…と、心の中で身悶えする私…(口の中のハナシです)。

…ということがあった、とダンナに話したところ、
「フツーはそんなこと思わない。
お前がいつもエロいことばっか考えてるからだろう。」
と一蹴された。

そうなのか?
まー、否定はできない。

話は飛んで。
先々週のオケの打ち上げ、深夜0時を回ったところでダンナから電話があった。

「今どこ?」

1ヶ月前息子に酒瓶を取り上げられた私、強か飲んで酔っ払って
「二次会会場…帰るの面倒くさくなったから、どっかに泊まって、朝になったらそこから出勤する〜。」
と言ったら、秒で
「ダメ!今から迎えに行くから、待ってなさい!」
と返された。

私はよっぽど信用ならないらしい。

スミマセンね…。

           ★★

さて、チェロレッスン。

「センセ、お久しぶりです。」
3週間ぶりだった。

そうだね、と師匠。

「オケ、運営大変だったんだって?」
本番後、簡単に事の顛末を報告していた。

「曲も運営も大変だったから、心底疲れました。
それで、しばらくオケは休むことにしました。
次回の演奏会、楽団の身の丈に合わない選曲をするようだったら、降り番にします。」

難曲を弾けなくて指揮者に怒られるのは、首席と次席の私なのだ。

先生、ニヤッとした。

「そうしなさい。無理に出ることなんかない。
バッハ5番を仕上げよう。あとバルギールね。」

声まで弾んでる…わかりやすすぎる。

先生はそんなに私がオケから離れるのがうれしいのか。
自分の彼女を他の男に取られていた気分に近いものがあったのではないか?と、勘繰ってしまう。

この日、師匠は終始機嫌が良かった。

          ★★

今回、バルギールは初レッスン。

テンポ70から若干落として、弾いてみる。

それにしても、リズムが取りづらい曲だ。

運指の確認をした。
「楽譜に最初から書かれている指番号は無視していいから。夜が弾きやすいようにやって。ただし、僕の書き込みの運指は守って。」

どういうことだ?
先生の言うことは絶対ってこと?

「センセの書き込み、19小節目のファからミ♭に移るところが2、1になってますけど。私は2、2で4ポジから3ポジに移りたい。」
「…んー、あー、なるほど。そのまま次のレを1で取って、次のミを1で4ポジに戻すのね。いいよ。」

というように、何ヶ所か私のいいように変えてもらった。

「センセ、実は私の運指なんですけど。
オケのトレーナーのM先生から、私の運指が複雑だって指摘を受けたんですよ。
センセから見てもおかしいですか?」

パート練習からずっと気にしていたことを質問してみた。

先生は首を傾げた。
「…確かにね。お前は変わった運指をしてる時があるよ。あんまり変だったら直すけど。
でも、基本音が正確に取れていればいいわけだし。そのほうがお前が取りやすいんだったらいいよ。
オケでみんなが揃わないとおかしいって言うんなら、Mさんが書いてくれればいいんだよ。
本来、オケで弾くときはボウイングは揃えても、運指は自由なんだよ。」

私の運指でホントにいいのか?!

「運指といえば。バッハ5番、次のページに進んでいいよ。譜読みしてきて。
次の1ページは主題の中で一番難しいところだよ。僕もイヤになるくらいだ。」

ほほう。
そこさえ乗り越えれば、一気に最後まで進めるだろうか。

           ★★

レッスン終了後。

「次回のレッスンなんですけど、困りました。
レッスン表を見ると、8月は下旬1回しかレッスンに入れない。」
と、私。

「上旬はダメなの?」

「その日無理すれば入れなくもないんですけど。
何せその日の前夜、長野から夜通し運転して帰ってきて、早朝すぐに仕事です。午後レッスンに入れることは入れるんですけど。」

「…やめた方がいいな。じゃあ、お盆は?」
「え、いいんですか?」

私にはお盆に帰省する実家がない。そもそもチョコチョコ仕事がある。

「僕は構わないよ。そこにレッスン組んだとしてもお前くらいしか来ないから休みにしてたんだ。
場所はここじゃなくて、僕の自宅レッスンでいい?」

「どこでもいいです。ありがとうございます。」

発表会まで時間がない。
レッスンはなるべく多く入れたい。

先生
「ということは、次、夜に会うのはお盆か…だいぶ空くなぁ。」
と、ポツリ。

おや?センセ、寂しそう?
会いたいならそう言やいいのに。

大学オケの曲練習もあることだし、今度先生宅のレッスン室を使わせてもらうとするか。