見出し画像

7月チェロレッスン1回目:チェロ業界のゴタゴタ?

しばらくオケ曲ばかりやっていたため、置いておかれた無伴奏3番プレリュードの仕上げに入る。

フレーズ感
無伴奏には特に演奏指示はないけれど、フレーズごとにどのように表現するか考えて弾くこと。

走り過ぎ注意
16分音符の連続なので、リズムに乗ってくるとつい走りがちになってしまう。そうすると後半崩壊してしまうので、息継ぎ出来るところで一旦落ち着くこと。

アルペジオ
指が届きづらいところで音を外しがちなので、注意。

最後の重音のリズム
切るところとリズムを間違えていた…

発音
今借りているベルナールの弓と楽器の相性悪い。
今のチェロは硬い弓でゴリゴリしないと発音が難しい。ベルナールは柔らかいので、いちいち弦に引っ掛けないと上滑りしてしまう。
私の弓使えばいいんだけど、「柔らかい弓に慣れなさい」という工房のお兄さんからの宿題だからなぁ…。
先生も「その楽器に弓が合わなくて鳴りにくいのわかるけど、慣れるためにがんばりなさい」と言っていた。


オケの進み具合どう?と先生に聞かれて…
昨日仕事中にチェロトップのMさんから入ったメールの話をする。

”夜さんには2プルト表に入ってもらう予定だったんだけど、裏のAさん、本番出られなくなったの。
そこで、夜さんには2プルト裏に入ってもらおうかと考え中。
で、明後日の練習会なんだけど、トップサイドのKさん来られないから、今度はトップサイドに座ってね♥”

トップとトップサイドは言わばチェロ隊のリーダーと副リーダー。指揮者の真ん前で弾く人。目立つ人。
つまり、また先頭で弾くのか…😑

「おまえ、そこでは新人なのに2プルトなんて、なんでそんなことになってるの?」と先生。

「え…私がセンセの弟子なの、みんな知ってるからじゃないですか?💢」
先生が本番指揮のH先生に私のことを言ったために、知られてしまったのでした。

「それは悪かったと思ってるよ…😓
そのトップサイドの人、本番はちゃんと出るの?」
「確かにKさん最近休みがちですけど、さすがに本番は大丈夫なんじゃないですかね。」
「…あやしいな。もしトップサイドが本番出られなくなったら、その流れだとおまえがトップサイド任されるよ。」
「デビューでトップサイド⁈ないです、ないです😅」
「いや、そうなるよ。僕がHさんに言ってやろうか?新人の夜を前プルトにするな、って。」
「…たかが子ども同士のケンカに親が校長室に乗り込むようなマネはやめてください😑私が楽団に居づらくなります…😑」


全国には、チェロだけの団体がいくつかあります。また、チェロのみの演奏会も度々開催されます。

明日の練習会の前に、とあるチェロのみの演奏会を企画されているTさんという方が隣県からわざわざいらして、うちのチェロ隊の勧誘に来るとのこと。開催は1年後の予定。

先生、Tさん知ってますか?

「あー…もしかして○県のTさん?知ってるよ。」
先生、苦い表情。
「演奏会に出てほしいという勧誘みたいです。」
「夜がどーーーしても出たいって言うんであれば止めないけど、やめたほうがいい。」
「…何かあったんですか?😳」

先生の話では、数年前にもこの人が代表でチェロの演奏会が企画されたらしい。名のある大先生と師匠も当然ゲストに呼ばれた。

演奏会2週間前、この代表のTさん、こつ然と姿を消したそうだ…。

本番はもう目の前、中止というわけにはいかない。
仕方なく、大先生が仕切り役になり、師匠をはじめとする大先生の弟子たちが開催に向けて奔走した、ということがあったそうだ。

「ヒドイ話ですね…」
「なのに翌年またひょっこり出てきて、『今年もやるから来てね』って、冗談じゃない。いくらゲスト代出すって言われても、大先生も僕も出ないよ。」

「で、実は2年前、僕が企画した演奏会にぜひ出演したいって、そのTさん現れたの。」
「え?センセに散々迷惑かけたのに?」
「そう。でも、全然弾ける人じゃないんだよ。」
「音大出た人なんでしょ?だったらそれなりに弾けるんじゃないの?」
「音大出たって言っても、50歳過ぎの手習い感覚だよ。将来性を見込まれたわけじゃないから、教える教授たちもゆるくて、ホイホイ単位あげたんだよ。」
「よく入学できましたね…。なんか、大学教授たちよりもセンセのほうがキビシイ感じなんですけど。だってセンセ、全然合格くれないじゃない。」
「そりゃそうだ。おまえは僕の名前背負ってステージで弾くんだから、ちゃんと技術を身に付けてもらわなきゃ困る。」
そうですか…😓

それで、センセ企画の演奏会にそのTさんを入れたんですか?
「どうしてもって言われてね。大先生に打診したら入れてやれって言うから。それも大変だったよ。やっぱり。」
ふーん…。

「で、夜、おまえなんか特にバイタリティあるから、運営に引っ張られるよ。もし強引に勧誘されそうになったら、僕の弟子だって言いなさい。そうすればおまえに手を出さなくなるから。」
と先生ニヤリ😏
センセ、そのTさんに一体どんな報復をしたんですか…怖いんですけど😓😓


私の仕事関係でも派閥だったり権力争いだったりのゴタゴタがたくさんあるけれど、音楽業界もイロイロあるんだなぁと考えされられた。
出たい、弾きたい、という感情だけで突っ走らず、リサーチをちゃんとしよう、と思った。

この記事が参加している募集