#47 分析と演奏表現③ ソナタ形式の2つの主題の対比!楽譜から読み解いて演奏を考える
〜ご案内〜
このnoteはさいりえのレッスンnote「おためしマガジン」に含まれています。5本のnoteを、おためしですべて無料でご覧いただけます!
noteを気に入ってくださった方は、さいりえのレッスンnoteの定期購読もどうぞご検討ください→くわしくはこちら
こんにちは、さいりえです。
今日の note は、ソナタ形式について。
ソナタ形式の大きな特徴として、
・提示部・展開部・再現部に分かれる
・第1主題と第2主題の存在
・調性のルール
・その他
などありますが、今回はとくに、2つの主題についてお話します。
とくにベートーヴェンのソナタでは、ソナタ形式において第1主題と第2主題の対比が重要な要素になっています。
譜例)第1番の第1主題
譜例)第1番の第2主題
でも、
・対比ってどういうこと?
・なんとなく、雰囲気で弾いちゃってる
・モチーフの分析って?
と、はっきり確信を持てずに弾いてしまうことはありませんか?
この note では、
・ソナタ形式の2つの主題を、どのようにモチーフ分析するのか
・2つの主題の対比とは?共通点と相違点を見つける
・どのようなポイントでモチーフを見ていけば良いか
・発見した事柄の、演奏への生かし方は?
というポイントで、テキストと解説&演奏動画をシェアします。
ソナタの演奏について、いままでよりも考えをしっかりと持って演奏できるようになるかと思います!
このnoteのポイントです。
【このnoteのポイント】
・ソナタ形式の第1主題と第2主題のモチーフ分析について
・分析のポイントと、演奏への生かし方
【こんなお悩みに】
・ソナタの構成がよくわからない
・ソナタの分析の仕方がわからない
・「なんとなく」の演奏になってしまう
・「古典派らしく弾いて」と言われるけれど、よくわからない
【このnoteの構成】
・テキスト
・動画解説・演奏(9分半・4分半の動画を2本)
※動画は vimeo のプライベートリンクを共有しています。
【例に取り上げている曲】
・ベートーヴェン/ピアノソナタ 第1番 Op.2-1 第1楽章
・ベートーヴェン/ピアノソナタ 第2番 Op.2-2 第1楽章
ソナタ形式で重要な要素のひとつ、「主題」のキャラクターとモチーフ分析
ソナタ形式の作品を見るとき、
・全体の構成
・調性
・和声分析
などと同じくらい大切なのが
・モチーフ分析とキャラクター
です。
ソナタ形式には、主題が2つあります。
それぞれの主題をどのように弾くか?
というのは、ソナタの演奏の上でとても大切なのです。
第1主題と第2主題の共通点・相違点を見つける
古典派のソナタの中でも、とくにベートーヴェンのソナタは2つの主題の対比がとても重要です。
そのため、楽譜上でそれぞれの主題を見ていくとき、
・第1主題と第2主題の共通点(同じ点、似ている点)
・第1主題と第2主題の相違点(ちがう点)
をそれぞれ見つけていくことが必要です。
ちがう点は見つけやすいのですが、意外と共通点を見つけるのが難しかったりします。
ただ、これらの見つけ方は、そこまで豊富な知識が必要ということもなく、「どういったポイントで見ていくか」という「着眼点」がいちばん大事です。
楽譜から主題の特徴を見きわめる。分析のポイントとは?
ここからは、次の項目では「このようなポイントで見つけていけば良いのか!」ということを、書いていきますね。
また、17分の動画ではベートーヴェンの1番、2番のソナタを例にあげて、主題を実際に分析していますので、ご参照ください。
第1番の第1主題
第1番の第2主題
第2番の第1主題
第2番の第2主題( espressivoから )
・フレーズの単位
1小節、2小節、4小節など、フレーズの単位を見ます。
また、何拍目から始まっているのか?何拍目で終わっているのか?も見ていきます。
・フレーズの中で、中心・柱となる音の存在
たとえば2小節のフレーズなら、中心/柱となる音はどこか?
真ん中に向かって盛り上がることもあれば、はじめの音にポイントが来ていることもあります。
第1主題、第2主題それぞれ見ていきます。
・リズム
上の項目と似ていますが、リズムの特徴を見ます。
たとえば1番の第1主題と第2主題は、アウフタクト、1小節目が4分音符4つ。そして2小節目の頭にポイントがあり、付点音符ベースのリズムになっている、という共通点があります。
リズムの面で共通点が多いんですね。
逆に、第2番は第1主題と第2主題が全然ちがうリズムでできています。
・モチーフの形
上行形、下行形?
分散和音?音階?跳躍進行?順次進行?
音程や方向を中心に、モチーフの形を見ます。
・和声
和声は何小節単位?
ドミナントからトニック?それともトニックから始まる?
など、和音の中身や進行を見ます。
和音の単位に関しては、こちらのnoteにも書いています。
・声部の構造、伴奏の存在や形
何声部になっているか?伴奏形とメロディなのか、多声的にかかれているのか。
たとえば第2番の第1主題はユニゾンですね。
それに対し、第2主題は右手のメロディと、左手はトレモロの伴奏形です。
全然音楽が変わりますね。
・その他
いろいろな要素があります。
何でも構わないのです。当たり前すぎて、特徴といえるのかな?ということも、特徴と言えます。
トリルとかトレモロとか、刺繍音があるとか、なんでも特徴になりえます。
モチーフ分析を演奏に活かす考え方は、動画の中でお話しています。
動画で解説
ここまでを動画で解説・演奏しています。
1つ目の動画は↓
・第1主題と第2主題の共通点・相違点の探し方(ベートーヴェンのソナタ第1番) (9分半)
ふたつめの動画はこちらです。↓
・ひとつめの動画の補足・ソナタ第2番にて(4分半)
※今回の動画では、和声進行については触れていませんが、たとえば
・第1主題は1度からはじまる
・第2主題はドミナントが2小節あって、それから…
というような和音の構造も大切な要素です。
そのあたりはこちらのnoteをどうぞ。
まとめ
この曲ではベートーヴェンのソナタ形式を題材に、2つの主題のモチーフ分析について書きました。
このトピックはいずれYouTube練習配信でも取り上げようと思いますが、サロンの方に一足早くお届けしました。
ご参考になりましたら幸いです!
それでは、来月のnoteもお楽しみにお待ちください。
ご意見・ご感想、リクエストもお待ちしております。LINEのチャット欄からもお送りいただけます。どうぞお気軽にお送りください。
オンラインレッスンサロンのこれまでの レッスンnote はこちらをクリック
〜ご案内〜
このnoteはさいりえのレッスンnote「おためしマガジン」に含まれています。5本のnoteを、おためしですべて無料でご覧いただけます!
noteを気に入ってくださった方は、さいりえのレッスンnoteの定期購読もどうぞご検討ください→くわしくはこちら
レッスンnoteについてご興味お持ちの方は、こちらのページでくわしくご紹介しています。
ここから先は
さいりえのオンラインレッスンサロン
ピアニストさいりえによるオンライン講座&小さなコミュニティ。 ピアノ練習やレッスンのポイント、さいりえ自身の練習内容やブログで書かない話…
ここまでお読みいただきありがとうございます!ときどき頂戴するサポートは主に書籍・楽譜の購入・もしくはカフェ時間にありがたく使用させていただいています。もし「とくに役にたったよ」「応援したい!」と思っていただけたらよろしくお願いします。※ご負担のないようにお願いします(^^)