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#33 曲の冒頭、どのように弾き始める?【後編】音づくりから心と体の状態まで

更新のお知らせ:ケース6の動画リンクに一時的に誤りがありましたので修正しました。申し訳ありません!

こんにちは!さいりえです。オンラインレッスンサロンnoteも33回目となりました。今月もよろしくお願いいたします。

さて、前回のnoteでは、曲の冒頭をどのように弾き始めるのか?ということについて書きました。

↓前回noteはこちらです↓

今回は、その【後編】となります。

〜このシリーズの内容〜

曲の弾き始めは、最初の1音を出す前の準備やイメージがとても重要です。

しかも、どの曲でも同じ、ではありません

そこでこのnoteでは、いくつかの曲のタイプ別に

・弾き始める前に意識しておきたいこと
・そのための準備や練習方法

についてご紹介します。

6つ以上の曲を例にあげて、それぞれ解説します

具体的には、次の6パターンを例に挙げてみます。

① なめらかに始めたいときに〜ショパンのノクターン・ワルツ〜
② きりっと始めたいときに〜ベートーヴェンのソナタ〜
③ メロディと伴奏など、複数の音や声部を立体的に弾き分けたいときに〜モーツァルトのソナタ〜
④ 和声的に曲をとらえるために〜シューベルト 即興曲Op.90-4〜
⑤ こころをしずめて〜ブルグミュラーのアヴェ・マリア・ベートーヴェンのソナタ「悲愴」〜
⑥    途中からでも調整・修正できる状態で弾く〜ショパンのエチュードOp.10-10〜

・それぞれ、動画でご紹介していきます。

・曲は無限に(?)ありますので、リクエストがあれば以降の例もシェアしていきたいと思います。

このnoteをおすすめする方

こんな方のお役に立つかと思います!

・曲の世界に入れない
・流れが悪い
・弾き始めるとき、体が硬くなってしまう
・弾き分けてるつもりでも、どの曲も同じ感じになってしまう(曲の始めにかぎらず)
・「音」を出すだけでなく、音楽をもっと感じたい、描きたい

①〜③は1月のnoteでご紹介しました。(まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ

今日は、④〜⑥についてお話、動画をあげていきます。

★このnoteは、3本の参考動画を最後にまとめています。テキストは皆さまお読みいただけますので、サロン会員以外の方もどうぞお気軽にお読みください。

④ 和声的に曲をとらえるために〜シューベルト 即興曲Op.90-4〜

演奏するときに、「和声・ハーモニー」の響きを頭のイメージの中で構築して、その和声感や音色をもって個々の音を弾く、というのはとても大事なことです。

これは以前ツイッターでつぶやいたことですが、まさに、このツイートのお話です。↓


これを曲の冒頭でもやってみる、ということですね。

和声を描いた演奏と、描かずに単音の連続として弾く演奏では、響きやまとまりや世界観・奥行きがまったく違います。

和声をどのように音にしていくか、はこちらのツイートもご参照ください。↓


今回のポイントを整理します。

重要なポイント

・細かい音も、ひとつのハーモニーとしてとらえる
・和音の種類、音域、響きに耳をすませながら音をさがす
・そのハーモニーの世界から曲を始める
・静かな曲でも激しい曲でも、基本のポイントは同じ!

動画ではシューベルトの即興曲をメインに、一瞬だけショパンのエチュードOp.25-12にも触れています。

※実践動画はこのnoteの後半でまとめてご紹介しています。


⑤ こころをしずめて〜ブルグミュラーのアヴェ・マリア・ベートーヴェンのソナタ「悲愴」〜

曲の始め方で、その人の音楽への思いや集中力、感覚が伝わります。

はじめの1音に対して、いや、その前の段階で、すごく丁寧に集中して世界を作ることが必要です。

(あまり構えずに、ぱっ!と出たほうがカッコいい場合もありますね、そのパターンも今度考えてみます!)

シンプルですが、ブルグミュラーを例にあげました。

重要なポイント

・心も体も準備できてから始める
・練習のとき、すぐに「準備万全な状態」を見つけなくても大丈夫。徐々に、その世界に入っていく感じ。
・心だけでは足りなくて、呼吸や体も準備できること。
・曲の途中でも同じ。

曲の途中の例として、ベートーヴェンのソナタの一部分も挙げています。

※実践動画はこのnoteの後半でまとめてご紹介しています。


⑥    途中からでも調整・修正できる状態で弾く〜ショパンのエチュードOp.10-10〜

今度は、曲の雰囲気やキャラクターの話とは少し変わります。

弾きながら、修正できる状態で弾く」というお話です。

ピアノって会場によって異なりますし、一音出してから「あれっ」ということも多いですよね。

そんなとき、

・がむしゃらに進む
・音楽にひたすら入り込んで弾く
・絶対にそれまでに決めていた通りに弾こうとする

という状態だと、なにか音色やバランス、響き、テンポ感、ペダリング、いろんなことをその場に合わせてちょっと変えていこう…としてもうまくいかなかったりします。

坂道をピューッと滑り落ちている状態みたいに、「あ!」と思っても、動けないんですよね。

どこかで、「冷静さや、コントロールできる自分」をもっておくことは大切です。

どんな曲でもそうなのですが、とくに今回例にあげたようなショパンのエチュードでは、休符やくっきりした場面転換のような「仕切り直し」の部分が少ないので難しいのです。

曲を弾き始める前に、きちんと自分のフォームや耳の状態を良いものにしておくことが大事です。

ただ、あまりに「様子をうかがう」ような弾き方ですと、それはそれで音楽が流れないので、バランスですね!

重要なポイント

・弾き始めたあとでもさりげなく修正できる精神状態、からだの状態で始める
・それは結果的に、「良い音が出やすいし自分の音・音楽を聴きやすい状態」でもある。
・音楽にのること、集中して入ることと両立できると一番良い。

※実践動画はこの下でご紹介しています。

ケース④⑤⑥の実践動画はこちらから

それでは、ここまで挙げた3つのパターン、内容をそれぞれ動画によるトーク&演奏でご覧ください。

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