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なぜあなたの悩みは深まるのか?


苦痛と苦悩


「苦痛は避けられない、苦悩は避けられる」

苦痛は避けられません。
老い、病気、別れ、死、起こってほしくない出来事など。
それは生きている限り起こるものだから。

苦悩は苦痛によって悩み苦しむこと。

同じように思えるかもしれませんが別物です。


では、なぜあなたは苦悩してしまうのか?
悩みを深めてしまうのか?


これを理解することが、悩みに囚われなくなる第一歩といってもいいでしょう。


悩みを深めるポイント


●ネガティブな感情=悪、と捉える
●考えないようにする
●忘れようとする
●ポジティブに考える
●感情をコントロールする
●逃げる、避ける

まず根っこにある悩みを深める考えからです。

●ネガティブな感情=悪、と捉える

不安、恐怖、緊張など、ネガティブな感情を悪だと捉えてしまうものです。
なぜなら感じたくない感情で、それによって苦しんでいるから。
でもネガティブな感情は人間にとって大切な感情で、その感情があるからこそ私たちは危険から身を守ることができます。
人間の本能でもあるのです。

ネガティブな感情=悪、だと捉えると、悪いものだからこそ、
・避けようとしたり
・感じないでおこうとしたり
・みえないフリをしたり
・戦おうとしたり

します。
でもこれ効果がないことは、苦悩している人はもう何度も体験していることでしょう。


●考えないようにする

悩んでいることは考えたくないものです。
だからこそ「考えないでおこう」としてしまいます。
でも残念ながら、これこそが思考の罠であり、逆にますます考えてしまうのです。

瞑想の話をするとき「1分間、呼吸だけに意識してください」と言ってやってもらいます。
呼吸以外のことを考えないでください、ということなのですが、これまで誰もできた人はいません。
たった1分なので簡単だと思いますが、それだけ難しいことなのです。


●忘れようとする

考えないようにする、ことと同じですが、これも難しいことです。
嫌な出来事は忘れたいものです。

私は催眠心理療法という名でセラピーを行っています。
催眠のイメージなのでしょう、「これだけ悩むのであれば、一層そのことに関する記憶を消して欲しい」なんて相談があります。
残念ながら、そんな都合の良いことはできません。
催眠で一時的に思い出せなくすることはできますが、しばらくすると思い出します。
それどころか、忘れようとするほどに、その記憶に焦点が当たり、思い出しやすくなってしまいます。


●ポジティブに考える

以前、「ポジティブシンキング」なんて言葉が流行りました。

ポジティブに考えることは良いことです。
でも、ネガティブな感情に巻き込まれて悩んでいるときに、無理やりポジティブに考えようとするとどうなるか?
これまでの流れから、もう答えは分かりますよね。
余計にネガティブな感情が強くなる可能性が高いです。

すごく落ち込んでいるときに、ポジティブになろうとノリノリの飲み会に行ったらどうなると思いますか?
余計に辛くなる、もしくは、そのときは嫌なことを忘れて楽しめたとしても、家に帰ってからまた落ち込んでしまう、ことでしょう。


●感情をコントロールする

これも同じですね。
そもそも感情をコントロールすることは、何年も辛い修行をした人でなければできないでしょう。

ネガティブな感情は、求めていないのに無意識に沸いてくるもの。
それを意識で、消そうとしたり、感じないでおこうとしたり、コントロールする。

無意識の力は意識よりも強い、という話を聞いたことがあると思います。
実際に日常生活でも体感していることでしょう。

顕在意識(意識)と潜在意識(無意識)の力の割合 = 1:9
でよく説明されます。
これは科学的根拠があるとかは別として、いかに無意識の力が強いかを表しています。

自分と同じ力を持っている9人と綱引きをするとどうなるか?
圧倒的な力の差で負けてしまいます。
感情をコントロールすることは、これと同じことをしているのです。


●逃げる、避ける

まず、逃げることは悪いことではありません。
ブラック企業に勤めていて苦しくて悩んでいるとするなら、逃げた方がいいこともあります。
劣悪な環境で働かせるのは会社側の問題です。
それを変えるのは難しく、良い環境で働く選択をする方が解決しやすいでしょう。

ここでの逃げるは、向き合うべき自分の問題の場合です。
ネガティブな感情は感じたくないもの。
そうすると、ネガティブな感情を避けるために、逃げることを選択することがあります。
私はこれを「回避行動」といっています。

緊張症で悩んでいるのであれば、人の集まりを避ければ緊張することを避けられます。
人間関係が苦手な人は、他人と会わなければ嫌な気持ちになることはありません。

回避行動をすると一時的に「ホッと」して楽になりますが、根本的な解決にはなりません。
ならないどころか、ネガティブな感情は維持・強化されてしまいます。


どうだったでしょうか?


悩みに囚われている、苦悩している人は、当てはまるものがいくつかあったと思います。
苦悩は自分の思考が生み出すもの。
それを知ることが、悩みを手放す一歩となるのです。

うまくいかないことを続ける必要はありません。
意識することから始めてみましょう!


今回はここまで。
具体的な方法については、またの機会にお話しします。


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