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【絵本プレゼンテーション】雨の日もわくわくさせてくれるしずる感。言葉よりも心で楽しさを共感する絵本「どろだんご」

どろだんご
発 行 1989年7月1日 年少版こどものとも発行
文 田中義行
絵 野坂勇作
発行所 福音館書店

雨の日だからこそ、子どもと一緒に読んでわくわくできる絵本が必要! 

子育て中の思い出として、梅雨の時期は本当に憂鬱でした。たまには傘を持って雨の散歩に行きますが、多くは部屋の中で過ごします。こどもたちは狭い家の中ではやはり窮屈そうで、片付けもままならない家の中で自分もイライラし、そのうち姉弟ケンカが始まり、どちらかが泣き喚き、仲裁に入れば「お母さんは弟(姉)ばかり味方する」とまた泣き叫ばれ・・・。
家の中も、心もジメジメしっぱなしでした。

「どろだんご」は、そんな雨の日を楽しく過ごすには、もってこいの絵本です。子どもたちも経験のある”どろだんご作り”を、まるで一緒に楽しんでいる雰囲気のまま絵本になっているからです。

どろだんご つくろ
すいかみたいに でっかいのつくろ
だんごむしみたいに ちっちゃいのつくろ
びーだまみたいに ぴかぴかのつくろ

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ざばっとみずをあなにいれ、
ちからいっぱいかきまわそ
どぼどぼ ざりざり 
たぷたぷ ぐにぐに

こどもたちを一緒に遊んでいる感覚にさせてくれる!

オノマトペも楽しいから、もうこどもたちは、自分がどろだんごを作っている気分になってきます。
どろだんごを作るだけでなく、どろのついた手で、「おばけだぞう」などとふざけてみたり、どろでクッキーの形を作ったり、絵本の中で、いろんな遊びが展開さて行くのも魅力です。

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かわいたつちを さらさらまぶそ
くるくるまわして ぱらぱらまぶそ
おだんご ごろごろ ぎゅっぎゅっ にぎろ
おむすび ころころ うんうん にぎろ

男の子を刺激する競い合いの遊びがある

自分だけのどろだんごが完成したら、そこからはどれが”一番良いどろだんご”かを競います。高いところから落としたり、坂を転がしたり。丈夫さを競います。この頁の頃には、こどもたちは早く自分も、どろだんごを作ってみたい気持ちでいっぱいです。または、以前作ったどろだんご、どこに置いたかなあなんて、思いをめぐらせはじめます。

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こんどはさかのうえから
ころがしっこ
われたらまけだよ
ごろごろごろーっ
やったあ! ぼくのは こわれない 

こどもたちの想像を膨らませるラスト

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だいじなだいじな どろだんご
だあれもしらないところへ
かくそうっと!

ためになるとか、感動するストーリーではありませんが、子どもの心を満たす絵本です。絵本は子どもにとって、心の栄養だと言いますが、心で感じる絵本というのは、まさにそういうものなのかなと思います。

対象年齢は?

対象年齢ですが、一番面白がってくれるのは、4〜6、7歳くらいでしょうか。もちろん、高学年の読み聞かせにも使えると、私は思います。
私は絵本に対象年齢を決めようとは思いません。お母さんやお父さんが楽しめば、赤ちゃんだって喜んで聞いてくれると思うからです。

ぜひ、雨の日に、一度手にとって欲しい絵本です。


子育て中にお母さんたちの絵本の読み聞かせあい会から絵本にハマり、図書館や小中学校での読み聞かせボランティアをしてきた経験をもとに絵本の紹介をしています。絵本はコスパの良いおもちゃ!親子で活用しやすくなるお手伝いができればと思い、思いつくところから書いています。自分が持っている絵本を撮影して使っていますが、著作権の問題等ありましたら、お知らせください。

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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。