小さな箱

今日も小さな箱に起こされる
朝だよ、起きて。そうけたたましくそれは叫ぶ
ぶっきらぼうに手で箱を掴んで、再びそれが鳴るまでベッドに沈む

電車に乗る、箱を手に持つ
皆んな箱がつぶれそうなほど握ってる
何をそんなに必死にすがっているの?
でも不安だから、私も握っている

箱の中の世界は私を守ってくれない
でも、何でだろう。握って離せない
空は青くて広いのに
箱の中の暗い世界に入り込んで、ため息をつく

電車に乗る、箱を手に持つ
くだらないことをつぶやく
眉間にしわが寄る
やっぱり箱の世界に引きずり込まれる
箱の中から外をのぞく
空は見えない、小さな箱







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