トイレに行くのりで学食

はじめに言っておくが、私は混雑が嫌いだ。それと、それ以上に人に気を遣わせるのが嫌いだ。

大学の昼休みといえば50分という限られた時間内で限られた数の食堂に下手したら何千人もの学生が押し寄せる。考えるだけでゾッとする。席は椅子取りゲームだし、知ってるような知らない人ともすれ違うし目が合ってしまう。できれば利用は避けたかった。

一番学食へ行きたくなかった理由は、友達がみんなお弁当を持ってきていたからだ。列に並べばあの喧噪の中スマホを持ちながら立って何十分も待たなくてはいけない。友人も一緒ならいいが、聞きたくもない話まで聞いてしまうし、一人で学食へ行くのは寂しかったし、一緒に行こうか?的な気を遣わせるのもすごく嫌だった。

だったらお弁当を、コンビニを、と言うだろう。しかし、朝起きて自分のために弁当を作るのも、コンビニへ寄ってパンを買うのも、とにかくなんか面倒だった。人間、学食があると、まあいっか。学食行けば。という楽な方へと傾いてしまうのだ。

だから、ちょっとトイレ行ってくるわーというノリで食堂へ行けるようにすごい方法を編み出したのだ。

昼休み開始、とりあえず授業開始10分前まで友達がお弁当を食べているのをひたすら見守るかとりあえずおしゃべりをする。

そして授業開始10分前、「ちょっとトイレ行ってくるわ」の一言で食堂へ向かう。そして1分以内に発券、注文して近い席で食べ始める。授業30秒前までに片付けダッシュで教室へ入る。

これが案外、私の性に合っていた。この方法を使えば列に並ぶ必要はない。人気メニューは売り切れる心配があるが、そもそも人気メニューは早く食べるのにあまり向いていない。ちなみに私は同じメニューを3か月食べ続けることができるし、食べるのがめちゃくちゃ早い。特に学生時代は食事が作業でしかなかったので、(途中から昼食は食べなくなった)この方法が通用したのだ。

と、こんな感じで苦手な昼休みと食堂をなんとか乗り越えていたのを久々に思い出した。今はこんなご時世になったので、そもそも誰かと昼食をなんて優雅なことは無いかもしれないしこんな方法を使わなくても、もっと賢い方法で食堂を利用しているのかもしれない。しかし、これはこれで当時の私の最適解であったし、若いからできたと締めくくることにする。



#昼休みの過ごしかた

この記事が参加している募集

#昼休みの過ごしかた

1,739件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?