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ライツビジネスは“二人三脚“

ライツ運用をするに当たって、必ず出てくる言葉が「ライツ(権利)処理」
読者の中にはこの言葉を聞くだけで色々と過去を思い出して暗い気持ち⁈になられたり、瞬間反応的に「めんどくせ〜」という思いを抱かれる方も多いかと思います。

なぜライツ“処理“なのか?

言葉は言霊とも言い、ある言葉を選ぶ時、そこに気持ちが込められています。
前回、ライツビジネスは楽しくクリエイティブなことですよ、と書きましたが、従来ライツにおいて“処理“という言葉が用いられて来たということは、これまでは楽しさとは真逆なスタンスの中でライツビジネスが行われて来た、ということです。
日本の場合、「ライツを守る=使わせない/使うハードルを上げる」というスタンスが長く取られてきたと感じます。
私も「日本テレビ」時代、自分がプロデュースする番組のIPビジネス展開をしよう、とある会社と話がまとまったので、正式作業として、会社のライツ担当部署にその会社との申請作業をお願いしたのですが、待てど暮らせどライツの部署から私の方に連絡が来ない。。。
「なんだ?やめちゃったのか?」と思い、その会社に確認したら、既に申請した、と。
ライツ担当の年配先輩に聞いたら
「おー、金田。なんか申請来たけど、そんなに簡単に使わせないよ、としっかり断っておいたからな」
と満面の笑みで言われて、ズッコケたという経験があります。
まあ、これは極端な例で、現在はここまででは無いと思いますが、長く日本においてこのようなスタンスが基本にあったのは確かだと思います。
そのスタンスの担当者と向き合うことが前提になると、“処理“するという言葉になるのも頷けます。

運用機会の損失こそがライツにとっていちばんのマイナス

従来の考え方で言うと、「ライツホルダー」と「ライツ運用希望者」は“向き合う“ポジションにいました。
すると、人間どうしても「相手ばっかりいい思いをさせないぞ」という気持ちが生まれて来ます。
どうして中々話がまとまらない。
挙げ句の果てに破談になったり、タイミングを逃してしまったりすることもあります。
しかし、ライツにおいて一番のマイナスは“運用機会の損失“です。
「運用機会があったのに実現出来なかった」
これはライツを管理する人にとっては最大の失敗を意味します。
反社会的な活動への使用や不当な条件での使用を防ぐと言うのは、ライツを守る以前の話。
「使わせない=守る」
この考えを払拭することが大切です。

向き合うのではなく同じ方向を見る

ライツビジネスを行う上で、「ライツホルダー」と「運用希望者」のあるべき姿は「二人三脚」
向き合うのではなく、同じ方向を見て信頼と協力のもと歩を進めて行く、というスタンスです。
両者が共に見るその視線の先にあるのは、ファンや世の中の人々が喜ぶ顔。
「ライツビジネス」とはそのゴールに向かって協力していくことなのです。


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