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ブランドを「IP」に!

以前、トミー(現タカラトミー)さんのトミカ・プラレールのライセンスビジネス誕生のお話をしましたが、そのお話の一番大きなポイントは、IPの素は自社のアセットの中にあるのだよ、ということです。
自分達にとっては、あまりに当たり前&日常的すぎて気づかないのですが、実は適切なお仕立てによる可視化によって、自社IPとなるものは沢山あります。
説明のためにちょっと横道にそれます。
地域創生のお手伝いをしているとよく耳にする話なのですが、地域の良さを一番分かっていないのは地元の方だったりするのです。
すっごい美味しいご飯があっても、その地域の方にとっては日常食だったりすると、そんな普通のものをお客さんに出すなんて、となることが多々あります。
山間の地域なのに、マグロの刺身が出てきたり、と。
お心遣いは痛いほど分かるし感謝なのですが、「価値あるもの」はその方の日常の中にあるものなのです。

社名=ブランド=IP

企業にとって一番“当たり前“なものとはなんでしょう。
それは「今やっている事業」と「社名」です。
これはあくまで私見ですが、ブランドが成立するために重要な要素は「世界観」とそれを立証する「エビデンス」ではないかと思います。
どの企業も必ず核となる事業があります。
その事業があるから、企業が存続しているわけで、そして、その事業内容を世の中が認めているから、その事業が継続的に成り立っているわけです。
つまり、核となる事業がある時点で、その企業の「世界観」とそれを立証する「エビデンス」が存在している、ということです。

タニタ⇨タニタ食堂

健康器具の有名メーカーである「タニタ」さん。
ご家庭の体重計がタニタだという方も多いのではないでしょうか。
彼らが運営する「タニタ食堂」。
こちらも今では大変有名な店舗です。
タニタ食堂、誕生時は「なんで、健康機器メーカーが飲食を?」と思われた方も多かったかもしれませんが、この「健康機器メーカーである」ということがタニタ食堂の成功の秘訣なのです。
今となっては多くの方が理解していることですが。
それまでも、世の中に「健康食堂」系の飲食はたくさんあったと思います。
その手の飲食店にとって必要なのは「人々が感じることのできるエビデンス」です。
それがタニタには既にあったのです、何故なら健康機器メーカーだから。
自社の核となる事業が新たな事業資産を生み出したわけです。

タニタ食堂監修商品が続々誕生!

既にお買い求めになられている方も多数いるかと思いますが、ネットで「タニタ食堂」関連商品で検索すると実に多くの商品が出てきます。
お味噌だったり、お煎餅だったり、ヨーグルトだったり。
多くの企業が「タニタ食堂」ブランドで商品を出しています。
つまり「タニタ食堂」はタニタの保有する有力な「IP」となったのです。
世の中の人々が健康を求める限り、このIP活用の幅の広がりは続くに違いありません。
 
・企業の持つアセット
・企業自体
・それらのIP化とライセンス活用

ライツビジネスにおいて、この領域は今後ますます面白い、注目すべきジャンルになると思います。

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