大切なのは「肌」で感じること⁉︎ディズニー&競馬の生み出す「体験」
米「ウォルト・ディズニー」が、世界各地のテーマパークやクルーズ船の拡張計画を発表しました。
昨年9月に今後10年間で600億ドル(8.8兆円!)の投資を行うと発表しており、その一環だそうです。
その内容は、アニマルキングダム(フロリダ州)では「インディ・ジョーンズ」、マジックキングダム(フロリダ州)では「カーズ」、カリフォルニア州のテーマパークでは「アバター」、ハリウッド・スタジオ(フロリダ州)では「モンスターズ・インク」、フランスの「ディズニーランド・パリ」では「ライオンキング」と、世界的人気のコンテンツIPホルダーの底力を遺憾なく発揮したラインナップです。
そして、クルーズ船。
こちらも現在の5隻を2031年までに13隻に増やすそう。
その中には、日本のオリエンタルランドが運航するものもあるとのことです。
「ウマ娘」コラボで競馬場来場者数10倍!
話は変わりますが、コロナ禍の巣ごもり需要により売り上げを伸ばした一つが、実は「競馬」。
ネット購入のシステムが整備されたこともあり、地方競馬の売り上げ(売得金)が超V字回復!
2021年度は30年ぶりにそれまでの記録を更新し、2022年度はついに1兆円を超えたそうです。
ちなみに、それまでの年間売得金記録は1991年の9,862億円で、その後売り上げは下がり続け、2011年度には3,314億円まで落ち込んだとのことですから、凄い回復ぶりです。
そんな地方競馬場が今、力を入れているのが、ネット購入で競馬を知ったお客さんの競馬場への「来場」。
岐阜県の笠松競馬場では、ウマ娘とのコラボで「ウマ娘シンデレラグレイ賞」(オグリキャップの毛色にちなんだ芦毛、白毛馬のみが出走)を今年の4月に開催。
若いファンを中心に昨年度の平均来場者数の10倍となる8,290人が訪れたとのこと。
この流れから、私が勝手に感じるのは、デジタル&リアルの体験フローの逆流です。
昔はリアルなお客さんがまずあって、それを補完(ユーティリティーのアップや擬似体験など)するためにデジタルを駆使するというスタンスがあった。
でも今は、逆。
まずはデジタルでタッチ、そこでファンやユーザーになった人たちをリアルな場、リアル体験に導いていくという流れなのです。
リアル体験のポイントは「肌」⁉︎
音楽業界でも配信で楽曲を知ってもらって、ライブに来てもらう、という流れが主流となっていますが、そもそもこの「リアル体験」のポイントは何なのでしょう?
私、それは「肌」だと思います。
「肌で感じる」ということ。
技術の発達で映像や音、そして匂い、つまり「目」「耳」「鼻」は既にヴァーチャルで感じることは可能となりました。
「味=舌」は、デジタル技術でバーチャルで感じられるようになってきましたが、そもそも代替食品や調味料が昔からありました。
五感の中で最後に「触=肌」が残った。
音楽であれば、全身で感じる音圧、屋外会場であれば風などいわゆる「空気」感、それがコンテンツ体験の最高価値にして「根源」なのではないか。
ディズニーの大型投資と地方競馬の動きから、そう感じたのでした。
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