見出し画像

地域創生→地元創生

前回、地域創生活動でのご縁で若い人たちと出会った、というお話をしましたが、今回はその“地域創生活動“自体について最近思ったことを書きたいと思います。

改めて振り返ってみると、私、日本テレビ時代から数えて何だかんだで20年ほどその手の活動をして来ていました。
正直、自分でもびっくり。
面白かったですし、携わらせて頂いた地域の皆様にとって少しはプラスを生み出せたのではないかとは思っていますので、これまでの活動に疑問を抱いているわけではありません。

ただ、最近、ふと思ったことがあるのです。

「あれ?私、自分の地元のこと全然気にしていなかったな」

私、静岡県浜松市の出身です。
18歳で東京に出て来て30数年、まだ実家もありますし、地元の友人との交流もありますので、そこからたまに浜松情報は聞いてはいました。

ご存知の通りそこそこデカイのです、政令指定都市ですし。
ということもあってか、切羽詰まった感じが無かったというか、口では「俺も地元に貢献していきたいと思っているよ」と言いながら、自分の中にリアリティはあまり無かったのです、正直なところ。

地元の金融機関や役所の方と話す機会もあり、そこで浜松の課題や逆に可能性の話を色々聞かせて頂き、それを聞きながら自分なりに真剣にどうしたらいいのか?のアイデアを考えて伝えたりしては来ましたが、今振り返ってみると、地元の為に!というスタンスというというよりは、どちらかというと、これまで仕事として携わって来た地域創生サポート活動の延長線上にある新しいテーマ、という感じだったな、と思います。

そして、先週、ちょっと打ち合わせがありまして浜松に行きまして。
その時に、地元の会社さん2社とじっくりとお話をする機会を持つことが出来たのです。
そうしましたら、何かムクムクとリアリティが湧いて来たのです、浜松という存在が。
日本語として合っているのか?この表現、とも思いますが、とにかくそんな感覚でした。

これまでもいくつも、“こんな面白い企業があるんだ“とか“こんな試みをやっているんだ“という「情報」は聞いてはいたのですが、考えてみるとそれはあくまで第三者が伝えてくれる「情報」でしかなく。
当事者と直接お話をすると「存在」として迫って来たとでも言いましょうか。
これは、今回の浜松での件や地域創生に限らず、仕事というかコミュニケーション全般において言えることでもあると思いますが、自分と地元との関係を考えた時に、そんな当たり前のことが出来ていなかったんだな、と感じたのです。

因みに、お会いしたのはこちらの2社。
ヤタローグループ
株式会社イーモア

ヤタローさんは90年近い歴史のある会社ですが、30数年前の私にとっては地元の有名なパンメーカーさん。
ここがやっている「シャンボール」というカフェ(当時は喫茶)が繁華街にあったのですが、高校生の頃行ったな。
当時の自分にとっては“オシャレ“な場所だったんですよね。
「社員/会社の為に金をかけるな、金はお客さんの為にかけろ」というのが社訓だそうで、会社としてかなり大きくなった今でも、本社ビルというものが無いそうです。
その代わり⁈とてもチャレンジ精神が旺盛な会社でとても面白いです。

イーモアさんは今回初めて知った会社なのですが、社長さんが元々は瓦職人の方で、今、転倒防止に全身全霊を捧げているという会社。
その商品は実は廃棄瓦を活用したものとのこと。
HPにも記載されていますが、年間の交通事故死者数が4,000人ほどなのに対し、転倒による死者数は10,000人もいるそうです。
知りませんでした、びっくりしました。
これ、ケガをされた方の数も入れたら、膨大な数字になりますよね。
高齢者の方は、転倒による骨折などのケガによって寝たきりになることで急速に衰えが進むことが多いですから、転倒による直接的な死者数だけでなく、間接的な死者数はかなりのものになるのではないかと思います。
この2社さんとどんなことが出来るのか?何かするのか?はこれからなのでどうなるのかはまだ分かりませんが、何か進みましたら、またここで報告したいと思います。

そして今回、自分の中で思ったことは、従来の「サポート」のスタンスではなく「パートナーシップ」というスタンスで地域創生と取り組んでみよう、ということ。
勿論、メディアやコンテンツを活用したサポートソリューション作りも引き続きトライして行きますが、自分の新たなスタンスのチャレンジとして。
それを地域創生ならぬ“地元創生“において始められたらな、と思っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?