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B級グルメを楽しむ感覚「パウンドケーキ・シャルドネ」

昨年の暮れにコストコに買い出しに行った時に、ワイン売り場で面白いものを見つけた。

「パウンドケーキ・シャルドネ」というユニークな名前のカリフォルニアワイン。店頭の説明書きには「パウンドケーキに着想を得て造られたワイン・熟したパイナップルやバナナ、バターのような口当たり……」と書いてある。しかもお値段が699円!ということで、これなら失敗しても(失礼)いいかなと思い購入。

元々、ふくよかで甘やか、ヴァニラやナッツ、バターを思わせるような、カジュアルな表現をすれば「派手」な樽香をもつワインは好きだ。これこそが好みだ、というよりはちょっと疲れた時に癒されたいような、甘やかしてほしいような存在。ワインエキスパートの合格発表の日に、二次試験でミスをして絶対落ちた……と4日間悩み抜いてからの合格で、喜びやら安堵が溢れてもうどうなってもいい飲めや騒げ!のお供となったのがこのタイプのワイン。ちなみにボーグル・ヴィンヤードのシャルドネ。今もお守り代わりに常備している。

抜栓し、グラスに注いでみる。確かにバターやヴァニラの香りに、シナモンを思わせるスパイスのニュアンス。カリフォルニアのシャルドネらしい果実味があり、思ったより口当たりは軽い。しかしちょっと香りがくどいかな。どのような醸造・熟成を経たのかは読み取れなかったが、ちょっとやりすぎ感は否めなかった。

シャルドネを和食に合わせることはよくある。お浸し、刺身、がんもどきや油揚げを使ったこっくりした煮物との相性も悪くないかと思われたが、ちょっと魚介類と喧嘩してしまっていた。結局食事とはいまいち合わず、食後酒のような位置付けで楽しんだ。当日に飲み切れなかったが、翌日の方が味と香り共に落ち着いていた印象。

コンセプトは面白かった。有りか無しかで言うと、決して無しではない。無理に食事に合わせずに、ナッツやチーズと共に楽しむのが良いだろう。個人的には「B級グルメ感」を楽しむには良いのではと思った。

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