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年越しの空気感

本日、2021年の仕事を納めた。同僚とチャットで年末の挨拶を送り合い、PCを閉じるだけの仕事納め。コロナ以前とは全く違ったそれは少々味気なくもあり、限りなくプライベートとの線引きが曖昧だ。

普段なら新しい年を迎えるために買い出しに出掛け、市販の松飾りを準備するところ。今年は喪中となるため、華やかなことはしない。その分丁寧に掃除をしたり、こうしてPCに向かったりしている。おせちの材料であれが足りない、これも入れたいと大騒ぎすることもない。元朝参りも今年は慎んで、静かに過ごそうと思う。

ところで、年越しに向かう空気感がとても私は好きだ。抽象的なことを書いてしまった自覚はあるが、特にゼネコンやメーカーの管理部門に勤めていた頃の「会社の年末準備」が思い出深いのだ。

ミッションは様々。外注した年賀状の引き取りだったり、納会のオードブルや寿司の手配だったり、熨斗紙が足りなくて急遽買いに出る等といった要はただのお遣いなのだが、そのお遣いで社外に出た途端に独特の空気を感じるのだ。

「年賀状印刷」の幟、「おせち予約」と書かれたPOP、気の早い正月飾り。冷たいけれど雪には届かない東京の空気、足早に歩く人々、優しい冬の午後の日差し。それらが連動して心に入ってくるような気がして、ああ、今年も暮れてゆくのだなと思ったものだ。

現職に就いてからはそんな空気に浸る機会も少なくなったけれど、12月を半ばも過ぎると、どことなく忙しなくてそれでもどこかウキウキするような気持ちは持ち続けている。そして不思議と年が明けるときれいにリセットされるのだ。


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