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菜園日記③夏の菜園・現実を知る※画像はないけど閲覧注意(虫)

じゃがいもの大量収穫ですっかり気を良くした私。既に種を蒔いてあったトウモロコシと、苗から育てたトマトにも大きな期待をよせていた。トウモロコシは糖度の高いタイプで、トマトは加熱調理用のイタリアントマト。初心者のくせに意識高めの野菜を選びがちな勘違い野郎だった時点で、オチは見えてる気がする。

トウモロコシはひょろっとした小さな芽からすくすく成長して、子供の頃に近所の畑でよく見たあの立派な株には少し細かったけれど、てっぺんに雄花が咲き、葉の付け根から脇芽のように顔をのぞかせた雌花は私に高揚感を与えるのに充分だった。あれ、トウモロコシって意外に簡単? そんな風に調子に乗っていた私の鼻は、収穫の日見事にポッキリとへし折られた。

雌花は実を大きく成長させるために適宜間引いて数を減らした方がいい、と聞きかじってその通りにした。そしてまあまあの大きさに育った実をパキッと小気味よい音をさせてもいでみる。初めて自分で育てたトウモロコシ。ちゃんと実が入っているか確かめようと皮を剥いて、絶叫しそれを放り投げた。

……詳しくは言いますまい。素人が無農薬でトウモロコシを作ろうとしたのが間違いだったのか。

結果、無事だった部分だけをカットして持ち帰った(その農園には堆肥エリアがあって、雑草や野菜くずなど土に還るゴミはそこに全て廃棄できた)。5~6株育てて実際に手にした収穫は、1/2本にカットしたものが2本。つまり実質1本だけ。試しに茹でて食べてみたところ、本当に甘くて美味しかったのでそりゃ虫も喜んで食うわな、と。かといって自家菜園で農薬をバリバリ使いたくはなかったのでそれ以降トウモロコシの栽培は断念することにした。

そしてイタリアントマト。順調に育ってくれて、収穫も少しはあった。ただ、それなりに大きさのある実に育つのは容易ではなく、イメージ先行で初心者向きでない野菜を育てる難しさも感じた。おまけに、言葉で表現するのが憚られる絶叫案件(虫)もやはりあって、いまだに軽くトラウマ。やはり素人が手を出していいものとダメなものはあった。

えげつなく虫が付くのもそうだが、夏はとにかく雑草との戦いに明け暮れた。そもそもの土が肥えているので雑草にとっても最高の環境ということ。抜いても抜いてもまた次の日には生えてくるし、3日空けようものならあっという間に草ぼうぼうに。これこそ大草原不可避というもの。たった3畳分ほどの狭い畑の雑草を取ることがどれほど大変なことか思い知りつつ、堆肥エリアを何度も往復した菜園生活最初の夏だった。そのうち④につづく。


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