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恋の形

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実る恋  実らない恋 交わる恋  交わらない恋 どの恋も正解はなくて どれも素晴らしい ちょっと人にやさしくできないとき 読んでもらいたいお話しまとめてみました
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#現代詩

甘い優しさの中で

「今日は何食べたい?」彼が尋ねると、カフェの中に静かな光が差し込み、私たちの間に微笑みが漂った。 メニューを手に取り、私はゆっくりと選ぶ。 たくさんの選択肢の中で、私の頭は幸せに包まれている。 しかし、決められない私に彼は優しく声をかけてくれた。 「いっぱい悩んでて、俺がその間に二人で食べるデザートを悩んでるから」と。 彼の言葉に、私は微笑みながら頷く。 彼はいつも選べない私の悩みをまるっと理解してくれる。 悩む時間も、私のペースに合わせてくれてその時間さえも楽しんでくれ

彼女との幸せな日々

夕暮れの空を見上げながら 「幸せだなー」 ご飯を食べに行く道すがら 「あー、幸せだなー」 近くの公園で風に吹かれ 「幸せだね」 夜の公園を歩く道でも 「やっぱり幸せだ」と微笑む彼女 朝の光が窓から差し込む時 彼女の笑顔が僕を優しく起こす 「おはよう」という声が心地よく 新しい一日が幸せで始まる 彼女とのんびり カフェで過ごすひとときも コーヒーの香りと共に 話すことが、何よりの幸せ 夜、星が瞬く空の下、まだ肌寒いベランダで 未来の夢を語り合う その瞬間、僕に

炭酸水とハイヒール

「もう歩けません、もうこれ以上無理です」 と、ぎこちなく歩く姿をみて先輩が笑ってる 「可愛い後輩はすぐにだだをこねるね」 と先輩は微笑みながら言った 「聞いてくださいよせんぱーい、」と先輩の目を見ると 「慣れない靴に足が抗議してくるんだろ?」と先に言われてしまった この楽しいやり取りに 「先輩優しくしてくださいよぉ」と照れ隠しで呟く 先輩はいつもの通り、コンビニで炭酸水を買ってきて手渡してくれる 「ほら、これで足冷やしとけ」 私は優しい先輩をキラキラしたまなざしで拝んだ。

Heart's Canvas

白いキャンバス、二人の絆を映す 忘れ去られたバラ、色あせても美しく 彼女はボンドを手に、花びらを貼り付け 「絵を描かないの?」と彼が問う 彼女は微笑み、答えた「これはあなた、私の中で永遠に」 彼は見つめる、彼女の手が紡ぐ愛の行方を、 ドライフラワーとなったバラに、新たな命を吹き込む 「形に残してくれるんだね」と彼は言う 白いキャンバスに刻まれた二人の物語 枯れたバラさえも、彼女のアートで咲き誇る 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は

言葉を超える沈黙

眠りから目覚める前の君を見つめる 幸せが漂う静かな部屋 沈黙の心地よさ 心の奥底で響く 笑顔の後に届く 「おはよ」 君のまばたきに愛を感じる 静かな朝の光が差し込む 二人の世界に満ちる幸せ 沈黙と言葉の響きが奏でる 同じ空気を吸い込んで 同じ夢を見つめて 二人の時間が進む 愛と平和の詩が続く あなたと共に歩む幸せ 沈黙と言葉の響きが奏でる 今日もまた新たな一歩 愛に満ちた日々を紡ぎ続けよう 未来へと続く道 二人手を取り歩む 愛と共に 幸せの詩が永遠に響

何もない日に、花を贈る

日々の風景に咲く花を見て 愛は特別な日に限らずに溢れる お父さんがお母さんに贈る花は 日常の中での幸せを讃える 幼い男の子も同じように 道端に咲くタンポポを手に取り 好きな先生に贈る 特別な日じゃないけれど その小さな行為が 愛という花を咲かせる 花瓶に飾られた綿毛が そよ風に乗って舞うタンポポは 日常の中にこそ 真実の美しさがあると教えてくれる あとがき 特別な日じゃなくても愛を伝えられる子って エモいなと感じました

86%の彼

放課後の教室 この後どこ行くかワイワイ話してる いつもの光景、いつものメンバー 女の子2人男の子3人は中学からの仲良し5人組 私の居場所だ 彼はいつも通り私の隣の席に座っていた 「今日はいい天気だね」私に話しかける 「カカオ86%だよ。君の好きなやつ」 彼はそう言って私にチョコを渡す 彼は私の目を見て笑った この少年のような笑顔に私は弱い。 中学の時から身長が20センチ伸びた彼は サッカーをしていたから筋肉もあって 更に優しい。 学校でモテモテだ。 そし

雨とコーヒーと彼

雨は結構好きで 太陽とは違うあの、空気が重たくなるような感覚が ふわふわしている私の足が、地に着くような気がして落ち着く 彼は雨が降ると泣いている そんな自分を嫌っている 私はいつも彼に言う その涙もいつか虹に変わる、と。 彼の涙はいつも美しい すーっと涙を流す まるで絵画のように 人を惹きつける何かがあった 彼は画家になるのが夢だ 夢がない私とは正反対の星に生まれたようだ 絵を描いている時は一言もしゃべらない すごい集中力で描き続ける とても力強くでも繊細で

優しい憂鬱

雨の日は泣きたくなる どんよりとした重たい雲が 幾重にも重なり 太陽は消えてしまったのかと思うくらい 暗く深く黒くしんどい そんな時いつも君は言う その涙もいつか虹に変わる 彼女と出会ってから 幾度と降る雨の日 今日も朝から雨で 僕の目にも雨が滴る 挽きたてのコーヒーは彼女のこだわり インディゴブルーのマグカップに注ぐ 雨の日は湿度でより濃い香りが部屋中を駆け巡り 雨に滴る僕を魅了する さっきまでしとしと降っていた雨は ザーザーと音を立てて泣く 僕と一緒だ

一目ぼれモルガナイト

やってしまった。 1年のころからあこがれていた彼に初めて話しかけた言葉が 「さ、桜餅好きですか?」 人生最大にやらかしてしまった。 初めて彼を見かけたのは、入学式の日。 桜が優しい季節だった 式が終わり、私は大福やさんに行くからと母に言って 一人でゆっくり町並みを歩いていた そしてバス停の近くの桜並木に彼はいた 桜を眺める目がモルガナイトのように 淡く優しく光って見えた その瞬間、彼から目が離せなくなった あれから1年、桜舞い散る4月。 今日は金曜日、学校

桜餅モルガナイト

「さ、桜餅は好きですか?」 桜が舞い散るバス停。俺は突然の質問に笑ってしまった。 「桜餅?えっと、嫌いじゃないかな(笑)」 優しくあたたかい風に桜が舞い散る・・・ 俺はある時から不思議なことが起こるようになった それは優しい桜色の季節になると妖精が見えるんだ 本当にいるのかもしれないし 俺の想像かもしれない 桜の木の回りをキラキラと飛び回る 桜色のとても小さくて透明度の高い何かが あっちこっちと舞い踊っている あれは小学2年生の終わり頃 公園でみんなと遊んで