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明日も頑張ろ

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大丈夫 あなたは素晴らしい 明日が遠く感じるあなたへ
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#人生

泣き声のない涙

涙が止まらない 涙は実際出てないけど ずっと泣いている 何が悲しいんだっけ 何が辛かったんだっけ 思い当たる節はないけど ずっと泣いている 心が下を向いて虚しい気持ちと 向き合ったまま動けないでいる 運動が足りないのか 瞑想が必要なのか 自分の時間が大事なのか 重く冷たい気持ちが渦巻いては ただひたすら眠る 前に進もうとしては 言葉にできない気持ちが覆いかぶさって 私をはなしてくれなくて 何もできなかった自分への 後悔と喪失感で空っぽだ 明日の私へ謝罪する 今日も

見えない光を掘る

安心する土の中 光は彼には眩しすぎるから そこでいい そこがいいんだ 彼の鼻先は敏感なセンサーで 心の波動を感じ取る わずかな感情の揺らぎも 手に取るようにわかってしまう 日の当たる場所は彼にとって 厳しい現実だった たまに地上に顔をだせば モグラたたきのように 出れば叩かれる世の中だ 暗闇は唯一の居場所で 土の世界は優しく 誰も彼を咎めない 彼はまるでモグラのように 土の中の自由を掴み 見えない光を頼りに 自分の世界を掘り進める 彼は決して孤独ではない 土の中の住

明日はどっちだ

明日の私は何をしますか 半年後の私は何を考えていますか 1年後の私はどこで何をしていますか 3年後の私は生きる意味を見つけましたか 何者でもない私が 人の役に立ちたいと願い 願うだけだった自分を変えるべく 挑戦し続ける けれど 何がしたいんだっけ 何になりたいんだっけ 自問自答を繰り返す日々 答えは見つかりますか? まだ目的が定まらず 足が少しだけ浮いています 浮かれた私を地に戻すには どうすればいいんでしたっけ 前に進むと決めたのに ちょうどいい言い訳を並べて 自

花かんむりと優しさ

朝の清々しい空気の中、私たちはピクニックに出かけた 食後の紅茶の香りが漂う中、優しい空を見上げる 花冠をつけた君が欠伸をしている姿に微笑みがこぼれた 眠気で温かい体温を上書きするようになぞる指先 私だけが知っている君、瞬きの回数でわかる気持ち 平熱に戻るまで夢の中にいることを知っている 眠る前に言えばよかった、瞬きの答えを。 夏の日差しが君を溶かしてしまうまでは 日陰よ、どうかそのままでいてほしい 君の安らかな寝顔を見つめた 偶然飛んできたアゲハ蝶が舞い踊ると花が揺れ 君

溶けてわたあめ(仮)

あの空の雲はわたあめのようにおいしそう ふわふわと浮かぶその姿に 疲れた体をゆだねてみたら きっと甘さに包まれて、私は溶けてしまう 雲の中は温かくて、柔らかくて ふわりと抱かれるその瞬間に 重さを忘れて、空へと溶け込む 甘さに染まる心と体 すべての疲れが溶け出して ただ軽やかに漂うだけ 風に運ばれて、どこまでも ふわりと広がるわたあめのように 私は空と一つになり、 無重力の夢の中へ 太陽の光が差し込むと 光の粒がきらきらと踊り わたあめの雲は虹色

もしも、

もしも空が飛べたなら 僕はどこまで行けるだろうか 雲を追い越し、星に手を伸ばして 夜空の向こう側へ、翼を広げる もしも水中で息ができたなら 僕はどれほど深く潜れるだろうか 青い静寂の底、サンゴの隙間を抜け 深海の秘密に耳を傾け、魚たちと踊る もしも一つ願いが叶うとすれば 僕は何を望むだろうか 時間を止め、瞬間を永遠にするか それとも、全ての痛みを消し去るのか 翼を持つこともできる イルカになって海を渡ることもできる けれど、僕が選ぶのは クラゲのように、ただ漂うことかも

雨の日の常連

雨だからしんどいのか しんどいから雨だったのか 悩ませる片頭痛は いつもそばにいて離れてくれない 今日は晴れだけど 明日が雨だからなのか頭が痛む あの子のそばで 一緒に頭痛に闘った 勝つことは出来ないけど 一人じゃなかったから 笑っていられた あとがき 小さいころは大人が「頭が痛いわ」っていうのに憧れるほど 頭痛とは無縁だった人生だったのに 今では片頭痛と生きてます( ノД`)シクシク… 梅雨はつらい だから猫を吸います ※あの子は猫

夢の灯を持つリリイと夢を食べるドリアン

夢の灯を持つ妖精リリイと、夢を食べる魔法使いのドリアンがいました。リリイは美しい夢を人々に与える存在として崇められ、ドリアンはその夢を食べてしまう存在として嫌われていました。リリイはいい夢を見させて人々へ希望を配りつづけていましたが、ドリアンはそんなリリイのことをよく思いませんでした。 世界ではリリイのように人に夢を与えられるのが正義です。 人の夢を食べるドリアンは誰からも好かれず、一人彷徨っていました。ある日、リリイの作った夢を見ている一人の少女がいました。その夢は、白馬

何度も消えた夢を、また今

綺麗で鮮やかな、花を見るたびに夏を思い出す。 ラムネの清涼感が喉を潤わせ、永遠に時間が止まるような感覚。 行くべき道を見つけるまで、夢中になって生きた時間を。 儚く何度も消えた夢を、また今追いかける。 消えてしまいたいほどの思いが、今まで何度あっただろう。 何度も諦めて、また夢見ては押しつぶされて。 それでもあきらめきれない夢を見たくって、あがいている。 夢を見た時、初めてみる空は、ほのかに明るく穏やかで美しかった。 枯れずに残っていた思いは、ずっと頭の隅に残っていて あ

赤いクレヨン

赤いクレヨンが一番になくなる 感情がぐちゃぐちゃになった日は ぐちゃぐちゃの心を絵にする 右から左へただ線を引くだけの作業は 私の心を落ち着かせるスイッチでもある 嫌なことがあったり、キツイこと言われたり 回りの気遣いでさえ、嫌味に捉えてしまう時だって そんな自分にため息をついた後は こんな世界におう吐したい気分になる だから気持ちを紙に殴り書きする 赤いクレヨンは私の血かもしれない それを見れば傷つけなくて済む気がして そんな私を2歳の姪っ子が 「いちご、いちご♪」って

赤い金魚と僕の物語り

風が止み、夕焼けが空を染める頃、静かな町の一角に佇む古びた家。 早くに両親を亡くし、姉は嫁ぎ、広い家にただ一人。生きるために生きている。三十路を目前にし、僕は考えることを諦めていたそんな人生について向き合っていた。金魚鉢の前に座り、水槽の中で穏やかに泳ぐ「金魚」に話しかけて。それは、投影していたのかもしれない。金魚鉢で飼いならされる金魚と僕を。 姪っ子がお祭りで手に入れたその金魚は、飼い猫を理由に僕のもとへと託された。とても小柄で泳ぎ方が少しだけ変な真っ赤な金魚。定期的に水

落葉樹

もう春だというのに、木は芽を出さない 湧き出た感情は枝分かれし 私の複雑な心のように自由に、不自由に伸びる 感情の吐き出し方が解らない、私みたい 落葉樹のように、春が来れば葉を茂らせ 青々とした木になると思っていたが 私は感情を失い、枝分かれがさらけ出されている いつになれば私に春が来るのかと願っていたが 落葉樹も、なかなかに美しいと思った いろんな経験をいろんな感情とともに 複雑に、でも丁寧に枝を伸ばした私の姿は 想像以上に育ち、芽を出そうと待ちかねている だか

胡蝶の夢

胡蝶の夢を見て ゆめうつつを生きていく 夢と現実の間には 自分の世界があると信じる 夢の中で 自由に舞い踊る胡蝶(わたし) 私は人生で 何をしていたのだろうか 何をしたいと願っていたのだろうか 紫色の神秘的な夢の中 忘れかけていた気持ちを 奮い立たせる何かが そこにはあった 『生きる』ことを頑張っていると ふと不安になる瞬間がやってくる 本当にこれがしたかったのかな どういう人生を送りたかったのかな ふと見た夢の中で 自由に飛ぶ自分を うらやましく思い そうなり