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勇気ある告発ストーリー 映画「スキャンダル」感想

TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。最近は日本でも話題になる問題でもあるのでできれば映画館で観ておきたいと思っていた作品でした。正直人の入りはいまいちだったのが残念です。そもそもこの出来事自体が日本だと大きく報じられていた覚えもないので、その映画化であるこの作品の認知度もこれくらいになってしまったという印象です。私自身もこの出来事自体は知っていましたが、その詳細は知らなかったです。啓発も含めてもう少し流行ってくれるといいなぁと思いながら感想を述べていきます。

まず舞台であるFox Newsが多くの日本人にとってどういう立場のメディアであるかが認知されていない気がします。この作品は当たり前ですがアメリカ人を対象にした作品であるので当たり前の知識で説明は不要ですが、日本だとやぱりある程度説明が必要だったのかなと思います。もちろん作品を観ていればFox Newsやロジャー・エイルズがどういう政治的な立場なのかはわかるのですが、民主党と共和党の主張の違いなどもろもろを含めてある程度を知識がないと理解が一歩遅れてしまうことがあると思います。

シャーリーズ・セロン演じるメーガン・ケリー、ニコール・キッドマン演じるグレッチェン・カールソン、マーゴット・ロビー演じるケイラ・ポスピシルの3人の女性がメインの作品ですが、どの女性もいい意味で野心的でそのための努力も惜しまないというのが印象的でした。特にメーガンは法学博士で元弁護士のキャスター、グレッチェンもスタンフォードを主席で卒業と強すぎる経歴持っていても、圧倒的な権力の前にはセクハラを受けても声を上げることができなかったというのは本当にこの問題の闇の深さが伺えます。また作中でもありましたが、声を上げても職を失うことを恐れて告発できない人もいたり、また本来なら味方になりうる同僚の女性もロジャーを支持するなどたとえそれなりの立場になっても告発することがどんなに困難であり、勇気がいることであるかが伺えました。もちろんこれは今起きている出来事の氷山の一角ではあると思いますが、作品自体は史実どおりにロジャーの失脚し、告発が意味ある形で終わっていたのが救いでした。

シャーリーズ・セロンが出てくる作品は今年に入って2作目でしたが、この作品では特殊メイク?によって実際のメーガン・ケリーに似せているというは鑑賞後に知りました。確かにそっくりでした。ロングショットでも大統領候補役を演じていましたが、この方は優秀で野心的で強い女性という役が本当にハマる方だなと再び実感しました。

最後になりますが、もし興味があり映画を見ようと思う方は事前に前回のアメリカ大統領選について調べていったほうがより楽しめる作品だと思います。

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