昨日の冬。
寒さが忘れ物を取りに戻ってきたのに、みんな日常に追われているのか、まるで寒さを無視していた。
車の音が夜空を裂き、ビルの下でその風を感じる。僕は再び引っ張り出したお気に入りの暖かい服を着て人混みに姿を消す。
なんとなく入ったラーメン屋さんは、店員さんがみんな外国人だった。僕の頭の中には噛み締めたい感情がまだ残っていて、それをしっかりと覚えておきたくて、今日は一番固い麺を頼んだ。
左に座っていた若い男性はラーメンを食べながら、アニメが流れるスマホを立ててイヤホンをしていた。右に座っていたスーツ姿の男性は、右手は箸、左手はスマホを握りしめていた。
みんな日常に追われていて、きっとその訳、その存在を知って欲しい。
少し前は、テレビの中で動物が並んで眠るだけで人が笑顔になっていた。もう少し前の世界では、映画館で拍手をする人がたくさんいた。
僕ら３人は並んで、今を休憩をしていた。
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