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取材◆八尾①-2024/5/17

この度、大阪府八尾市の商業施設「LINOAS」夏のシーズンビジュアルを描かせていただいた。これはそのお仕事に際し、八尾の街を歩いた時の日記である。

取材のために頑張って起きたものの、何となくのんびりしてしまった。朝ごはんは、揖保乃糸に納豆と生姜とたくさんの胡麻をかけたものと、残り物の味噌汁、ヨーグルト、バナナ一本、卵豆腐、牛乳一杯。

取材はいつも、のんびり街を楽しむということを第一にしている。

10:30に出発し、LINOASの最寄りである近鉄 八尾駅まで向かう。このところインプットを兼ねてエンタメの摂取を心がけていて、読みかけの伊坂幸太郎「777」をカバンに突っ込んできた。小さいショルダーバッグなので中はギュウギュウである。

大阪出身だが意外と生活圏内以外の土地は知らないもので、八尾へは行ったことがない。近鉄もほぼ乗ったことがなくドキドキである。事前に八尾の観光地をピックアップしているが、とりあえず行ってみてから考えよう。

JRおおさか東線に乗る。知らない駅ばかりなので、本を置いて車窓を眺めることにした。自分の暮らしている場所から八尾まで、景色がどう変わってゆくのか見ておきたい。

席近くの窓は全てシートで遮光されている。外を見たいが陽が強く、周りの人がまぶしいだろうと開けないでいると、途中で乗ってきたおばあちゃんがすごい速さで遮光シートを全開にした。車内が強烈に明るくなり、人生にはああいう潔さもあったほうが良いだろう、とぼんやり考える。

俊徳道駅で近鉄に乗り換えた。久しぶりに外へ出たので省エネモードである。普段は階段を使うのに、今日はエスカレーターに乗った。近鉄がホームにやってくる。クランベリーチーズケーキのような色合いで、車内はそこまで混んでいなかった。

窓の外は、背の低い建物が続く。せいぜい二、三階の高さまでだろうか。平屋の集合住宅のような面白い家もあった。

近鉄 八尾駅に到着。途端に景色がひらけ高さのある建物が増え、たくさんの人が降りた。

駅ナカにとてもかわいいケーキ屋さんがある。手頃な値段の焼き菓子も多く、手土産に使えそうなお店が身近にあると便利だろうなと思う。

駅を出るとすぐLINOASが顔を出した。

駅前の歩道橋から大通りに降りる構造が、以前描いた埼玉 大宮駅に似た印象を受ける。信号を渡ってLINOASヘ向かった。交差点はとんでもない数の自転車が行き交っている。今までの街は坂道が多く自転車よりも徒歩だったため、あまり見なかった光景だ。

まずはこの場所に慣れようと、一旦LINOASの店舗を全てまわってみることにした。

店内へ入り、1FのTSUTAYA書店から見始める。結構大きい。先日表紙イラストを担当した看護師の国家試験問題集を探したが、残念ながら取り扱い店舗ではなかった。店内には、八尾ゆかりの物販コーナーもある。隣の店舗の雑貨屋「LEAF」で、食器や雑貨を見てしばし癒された。

歩くうちに、「八尾珈琲館」という喫茶店を発見。八尾の名を冠している!取材にぴったりのお店だ。後ほど、ここでお昼ごはんを食べようと決める。

と、2Fでケーニヒスクローネのカフェを見つけた。平日だからか、あまり混んでいない。神戸のケーニヒスクローネはいつも大行列のため嬉しくなり、ダチョウのような早さで八尾珈琲館を忘れ、後でここへ入ろうと決めた。

引き続き楽しくショッピングを続け、以前何着か買ったことのある服屋「Te chichi」があったので、50%OFFの薄手アウターを購入。基本的に、仕事でお世話になる場所では何か買うことにしている。

その後、2時間半かけて上から下まで全ての店舗をじっくり見た。単にショッピングを楽しんだ、とも言う。14:00ごろ、空腹を抱えながら8Fのレストラン街へ上がった。

八尾市の情報パンフレットコーナーがあり、何枚かもらった。ボードゲームカフェがあるらしく、いつか行ってみたい。先程、服屋でもらった紙袋にパンフレットをいれ、ごはんへ向かう。

ほんの数秒前までケーニヒスクローネのカフェに心を奪われていたが、8Fで急に目の前に現れた家族亭の天丼があまりにも美味しそうで、うっかり入ってしまった。八尾でなくとも入れるチェーン店だ。なんてことだ…と思ったが、八尾へは何回も来るだろうし、今日は天丼にしよう、とあっさり切り替え季節の天丼セットを注文。

久しぶりに入った家族亭は、QRコードで麺やご飯の量が細かく指定でき、老若男女が心地よく食べられるよう配慮されていた。運ばれてきた温そばと天丼を頬張る。あまりにもおいしい。向こうから、赤ちゃんのフエフエという泣き声が聞こえてかわいい。今日は良い日だ。

食べ終わって店を出ると、向かいのインドカレー屋さんと目が合い「こんにちは」と言われた。挨拶を返し、ドギマギしながらエスカレーターを降りる。

LINOASの地下にスーパーがあったので寄ってみた。下記は当時のメモである。

「直送さかな市場あるやんけ!氷の上に並べられた大量の新鮮な魚!水の中で生きているのもいる、なんてことだ全部安い!パンもおやつも種類や量が多い 向こうから焼きたてパンの香りがする!あとすぐ横に揚げ物屋さんもあるし贈答用のお菓子売り場もある!何ここ!??」

ということで、今日一番のテンションをぶち上げながら、次回のエコバッグ持参を決定した。

思いのほかLINOASで時間をくってしまい、久しぶりの外出で体力がないため、今日は街を歩くことを諦めて、LINOASの隣にあるショッピングモール「アリオ八尾」を偵察して帰ることにした。

LINOASよりも"大型"の雰囲気がある。道が広い。よくあるショッピングモールの造りで、高い吹き抜けの周りをずらっと店が囲んでいる。

隣のLINOASにもあった千鳥屋宗家とスタバがあった。徒歩1分の距離で、違う店舗があるのが面白い。アリオ八尾のスーパーは、LINOASと比べて更に大きかった。ただ魚売り場は小さく、ここがLINOASの強みかもしれないと思う。

敵地視察のつもりが、うっかりアリオ八尾のGUで夏用のパジャマを買った。

16:00ごろ、やっと偵察が完了。ショッピングをしただけなのに、そこそこ疲労感を覚える。

帰ろうと近鉄の駅に向かい、何も考えず準急に乗ったところ、乗り換え駅を過ぎて布施駅まで来てしまった。近代付属の小学生がわんさかいて、みんな本を読んでいる。

反対側の電車で戻り、眠気を耐えながら家へ着き、この勢いを逃すと入れないであろうシャワーを浴び、3時間ほど布団でうとうとした後、お腹が空いたので唐揚げをつくった。

タンパク質を食べたおかげで元気が出て、別の仕事用のクロッキーをした。普段引きこもってばかりなので、今日は意識の高い日だ。

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