「ユーラシアの創生神話(金光仁三郎 大修館書店)」は、

「メソポタミア神話では水が創造主と同時にマテリア・プリマを兼ねている」

と述べています。

マテリア・プリマは「第一物質」の事で、「すべての物質が創造される以前」に存在していたものなのだそうです。

同書では、聖書とメソポタミア神話の「違い」についても述べていますが、聖書の中でも水が第一物質であった事には違いがありません。

「初めに神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の表にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。『光あれ。』こうして光があった。」

旧約聖書の冒頭、創世記の書き出し部分には、このように書かれています。

この後、神様は天地、天体(太陽・月・星)、生物、最後には人を創造なさっていくのですが、それらが造られる前に「水」が存在していた事を旧約聖書は記しています。

実は、日本書紀も水を「第一物質」とする前提で書かれています。

どうやら、水=第一物質と言う観念は、当時のユーラシア大陸全体に共通の発想として流布していたようです。

ただ、先にも述べたように、聖書神話とメソポタミア神話には「違い」もあるようです。そして、ギリシャ神話、日本神話とも「違い」があるようです。

では、聖書神話とメソポタミア神話、ギリシャ神話、日本神話など、各神話では、どこが同じでどこが違うのでしょうか。

このへんから考えていきたいと思います。

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