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ものごと、何が書かれているかだけでなく、何が書かれていないかと言うことに注目するのも大切です。
近松門左衛門の「五十年忌歌念仏」の農民・佐治右衛門のセリフには、「ウリ」は登場しますが、「キュウリ」は出てきません。
「大根」は登場しますが、「カブ」や「ニンジン」は登場しません。
「河童の日本史(中村禎里)」によると、キュウリはナスより低級なものと考えられていたそうです。なお、同書によると我々が考えているような河童のイメージの絵が形成されてくるのは1740年代頃のようです。
キュウリの品種改良が進み、消費が伸びてくるのは江戸時代中期以降のことらしいです。
「五十年忌歌念仏」は江戸時代前期、大阪夏の陣終焉から90年後の1707年の上演です。
ところで、井原西鶴の「好色一代女」に「ナス」の漬物を食べているシーンが出てきます。これは落ちぶれて、ナスの漬物だけでご飯を食べていると言う形で出てきます。1686年、大阪夏の陣終焉から約70年後の作品です。
島原の乱終結から約50年後。
島原の乱をなぜ持ち出すかと言うと、乱後、江戸幕府は、それまでの農民への過酷な収奪を緩和する一方、生産を督励するようになり、対農民政策の転換点と考えられるからです。
乱後50年でウリやキュウリより高尚なナスを食べていても、ナスの漬物だけのおかずでは「落ちぶれた」と見なされる状況になったのか?
江戸時代の文化や文学を学びつづ、登場する野菜を、時系列で並べていくと、なにか分かってくるかもしれません。

12/23は最低気温1℃の予報でしたが、実際は -3.0℃でした。
12/22も実際には-3.7℃でこのところ-3~-4℃の最低気温が続いています。
2週間予報では、12/24の予報は-2℃から-3℃と1℃低くなりました。12/27も0℃から-1℃、12/28も0℃から-1℃、12/30 0℃から-1℃、12/31 0℃から-2℃と「下方修正」されています。
年明けも1/1  -1℃から-2℃と下方修正。
1/2 0℃、1/3 -1℃、1/4 -2℃、1/5 -2℃、1/6 -2℃の予報が続き、松の内の冷え込みは厳しいようです。

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