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#家族

最期のハグを忘れられないのなら

最期のハグを忘れられないのなら

やせ細った腕をぎゅーと抱きしめながら、肩越しでこらえきれなかった涙が溢れてくる。

どこかでこれが最期なんだとわかっていた。
絶対に泣かないと決めていたのに。
だってお母さんも泣くから。

空港に向かうバスの時間ギリギリまでお母さんのそばにいる。

この時ばかりは上京したことを悔やんだ。

「喪服を用意しておきなさい」

大好きだったお母さんのお葬式で着る服なんて、素直に用意できるわけがない。

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