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『AIRCROPS』デザイナーズノート#02 [ゲームデザイン編 ①]

デザイナーズノートの2回目からは、いよいよゲームデザイン編の開始です。こちらは何本かに分けて書く予定ですが、今回はゲームの土台について書いていきます!

とその前に、ルール概要を知っているほうが今回の記事は面白いと思いますので、『AIRCROPS』のルール概要の記事を是非読んでからお楽しみください。

内容物の一部をおさらい。

土台作り

コアとなるメカニクスが決まった後は、ゲームの土台を考えていきます。

・ターゲットは?
・プレイ時間は?
・プレイ人数は?
・プレイの流れは?
・メインのアクションは?
・資源は何があるか?
・勝利条件は何か?

最初から決められないこと多いなー、ってなりますよね。
テストプレイしたら、結局プレイ時間もルールも変わるってくるし…。

なので、とりあえずテストプレイを進める上で仮で決めちゃえば良いのです。中〜重量級ではプレイ時間を最初に決めておくと、ルールや要素のボリュームをイメージしやすくなるのでオススメ。

RETRONIKは中〜重量級を作るレーベルなので「ざっくり3人プレイで60-90分くらいに収まる感じ」と最初に決めて今作は開発を進めました。
とか偉そうに言っておきながら、一時は150分を超えるバージョンもあったので、今作は迷走したなー…と反省。

野菜作りと向き合う

コアとなるメカニクス「1つの畑ボードには4つの菜園タイルを置けるスペースがあり、その畑ボードが16枚並んでいる。で、その周りをプレイヤー駒がぐるぐる回る」は『ABYSSAL LINE』から持ってきている仕組みなので(前回の[企画編]を参照くださいませ)、プレイヤー駒と同じ列または同じ段の畑ボードを対象にアクションを実行します。
畑ボードのまわりをぐるぐる移動しつつ、アクション対象となる畑に、どうやって野菜づくりをするか?を決めないとゲーム作りは進みません。

最終的に畑ボードは16 → 12枚になりました。

野菜を育てるなら、野菜が育つ工程が何段階かあるはずです。種を植えて、肥料をあげて、芽を出して、花が咲いて、実がなって、収穫する…など。

では、この野菜作りのステップをどのようなアクションで実現していくか、どこまでゲームに盛り込むかを考えます。
アクション数が多いと移動先含めて考えることが多く、プレイ時間が伸びそう…。かといって、手番で移動先を決めるだけだと(移動後に野菜作りの自動処理が走るとか)、テーマの再現性が下がりそう…。
ということで、移動後に「種まき」「肥料」「収穫」の3アクションから1つを選ぶ形で進めてみることにしました。

・最初は「種まき」で、畑ボードに自分の菜園タイルを置く。
・育てるのは「肥料」。肥料をあげて、芽を出して、花が咲いて、実がなるあたりは野菜トークンを置いて管理。
・最後に「収穫」。野菜トークンを回収すると良いことが起こる。

続いて、野菜の成長段階を何段階にするかも決めないとですね。
さすがに5段階にすると、このゲームの一番の盛り上がりである「収穫」まで時間がかかるので、4段階ぐらいが良いだろうとアタリをつけます。テストプレイした結果、このアタリが見事にハズレまして(1ゲームあたりの収穫回数が少なかったので)、3段階まで減らしました。

野菜トークンなし&裏 / 表で3段階を表現。4段階の時は菜園タイルの裏 / 表も使ってました。

ちなみに「種まき」、「肥料」、「収穫」の名称でずっとテストプレイしていたのですが、開発後半でルールに加わった「裏向きの菜園タイルを表向きにする」という「種まき」のもう一つの効果が、アクション名のイメージと合致せず…。
最終的に「耕す」、「育てる」、「収穫」に名称を変更しました。

資源の種類

メインアクションが決まったので、資源や勝利条件に取り掛かります。
と言っても、いつも全体を同時並行で考えているケースがほとんどなので、順序はないに等しいかも。

第一作目なので中量級に寄せたいなーという狙いもあり、資源は「コイン」のみにして、勝利条件もシンプルに「コイン」が多いプレイヤーが勝ちとしました。

もちろん「野菜」も要素としては出てくるのですが、すぐに「コイン」に換金する仕組みにすることで、資源として手元で管理しないようにしました(一瞬手元に持つ瞬間はあるけど)。

「野菜」の種類数をどうするかも重要ですねー。
これを決めないと、後々でてくる技術カードの効果の幅が変わってきます。効果の幅が変われば、プレイング時の戦略の幅も影響を受けます。

メインアクションや主要な要素と紐付けた種類数を用意するというのは、よく見かけますよね。今回は、3つのメインアクション+得点化の特徴をそれぞれ持たせた4種類の「野菜」を用意することにしました。

野菜の種類は4種類。

トマト:「耕す」アクションに紐づく
ニンジン:「育てる」アクションに紐づく
コーン:「収穫」アクションに紐づく
カボチャ:ゲーム終了時の追加点(コイン)に紐づく

ここらへんが決まれば、まー土台は完成したかなーと。

ということで、『AIRCROPS』のデザイナーズノートの2回目はゲームデザイン編①ということで土台作りのお話でした。土台が固まったので、次回はみんな大好きエンジンビルドについて書いていきたいなと思ってます。

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次回の[ゲームデザイン編②]もお楽しみに!

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