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【小説】珀色の夢 11【完】




 さようならも、ありがとうも、大好きも言えなかった。
 目を覚ました紗絵は、ベッド脇で母が泣き崩れる声を聞きながら、何も出来なかった事をぼんやりと後悔した。
 後から来た由里菜と真衣にも泣かれて、その日は謝ってばかりだった。
 夢の中にいる間、紗絵は植物状態のような形で一週間も目を覚まさなかったらしい。

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