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なおらい(直会)ましょう (緊急事態宣言の下に)

今夜僕はおいしい日本酒を飲んだ。
曖昧な日常生活の中に、くっきりとした輪郭の時間をもつ。
くっきりとした時間ではあっても
コクも余韻は深くともクドクない。
またスっと曖昧な日常生活に溶けていく。
ひとつの区切りを持って、
無色透明の液体を飲み込み
僕は関わる人を思い、知り
そこには自分自身が透けてみえる。
またスっと溶けていく、そこにある功徳。
今夜僕は美味しい日本酒を飲んだんだ。

緊急事態宣言の下に。

なおらい(直会)とは神社神道において、神事の後にいわゆる《打ち上げ》を関与した皆で行う≒御饌御酒(みけみき)を一緒に楽しむことを指す。

このご時世だからこそ、
日々をどう過ごすか
この時代と向き合う自分とどう向き合うか。
物理的に制限はあれども、
解釈する魂の拡がりは自由だ。


そんなタイミングで、
良い日本酒をいただく機会を得ました。

福祉事業所ヤオヨロズヤ✖️農福連携✖️日本酒生産プロジェクト、その名も【金の鳩】プロジェクト

堺市の百舌鳥八幡宮のお御酒の《名跡》を継ぐ酒です。

なんとなくせっかくなので無理をいって、
堺市までお酒をもらいうける為、そして
百舌鳥八幡宮にも興味あり連れていってもらった。

酒を扱う仕事もしているというのに、
そんなに僕自身は酒を飲まない。
飲めないこともないが酒を口にするのは、どこか特別なタイミングなり気持ちの切り替え時なりである。

今回特に、形から入る為に
前もって
錫製の酒器を用意し(熱伝導もいいし、飲み方選べるし割れないし持ち運べるだろうという理由)てみたが、アテに関しては何も特に思い入れなく、家にあるものを出してもらうことにした。

【金の鳩】の印象

※輪郭しっかりして、余韻は深い。でもクドクない。キリっとハンサム。

【この日のアテ】スタンダードに出汁効いた和食(筍の含め煮、ネギとお揚げの炊いたん)、炙った貝ひも、かりんとうなど試してみましたが総じて、合いました。
特に、かりんとうは黒糖や醤油の風味と抜群に合うな、と。
和食は言わずもがな。  

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僕はまず家で飲むことはない(外でもあまり飲みませんが)のですが、ここはまず、
酒をほぼ飲めないはずの妻と共に飲んでみました。妻も割とスッと飲めるーと喜んでおりました。

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【感想】
やはり日本文化の根っこにある【直会(なおらい)】が良い酒を真ん中に成り立つ時間そのものが素敵だなと思いました。

用意した酒器、
妻のつくってくれた手料理、
実家から送られてきた筍の田舎料理などの要素
当たり前の光景

それらを日本酒がまとめてくれて、日常生活の中にキラリと光る非日常を見出す機会となる。
それは当たり前の光景ではない、ということ。
その営みそのものが豊潤。

外で飲む良さ、
ワイワイとする良さもまたある。
同時に
なんらかと向き合うタイミングもまた彩ってくれる、それもまた酒の良さ。

例え、一献であれ
物理的に制限があれ、
契りの盃のように
人と人のシーンをふくよかなものに変える魔法がそこにはあると思います。

稲作をし、収穫されたうちから、お酒をつくり、神に捧げ、その後は、直会(なおらい)をして、ハレの空気が弾け、また日常の営みへと向かう。

この【金の鳩】プロジェクトに関しても、
同じでまた来年こうしてお酒を楽しむ為に稲作を始められるのだと思います。

大切なのは、そうして【暮らし】の大きな歯車を廻して、備えたり、繋げること。

それは

『大切な人とのヒトトキ』を彩る酒をまたつくる流れにも繋がります。

ノアの方舟のお話では大災害が収まり始めた兆しとされるオリーブの葉を持ち帰ってくれたのは、他でもない『鳩』でした。

場所と場所、
人と人、時代と時代
文化と文化、文脈と文脈、
物理や時空、心の隔たりを
行き交い繋げる【金の鳩】 
きっと、良い兆しを伝えてくれる架橋になりますことを。


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#日本酒好きな人と繋がりたい
#障がい者とお米づくり

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