僕の裏詠み on リリック       狩りから稲作へ / レキシ



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まだまだ大して長いこと生きているわけじゃないけど、
縄文土器と、弥生土器についてどっちが好き?だなんて、
僕はこれまで聞かれたことはなかったんだ。

もちろんレキシの勉強なんて、これまでしてこなかったくらしの中で
僕にとっては、古い話だって新しい文化の香り。

イニシエの僕の先祖たち。
鉄がつくられはじめる前、黒曜石の矢じりをつくったあの日。

群れから離れたあいつ、
みんなで囲んで投げつけた。

ハラニクに刺さった矢じり、遅くなるナウマンゾウの歩み。
ほら、みえてきたナウマンゾウの視界の中、光が途切れて途切れて、
倒れた直後の土ぼこり。
また新しい時代が始まる少し前、揺れる光、揺れるいのち

稲穂が揺れる先、揺れる先のもっと先の先、
削って削って先鋭化した、その先にある収穫と文明。
枝葉の太く安定した先に、少しずつ長く細くなっていく命。

まだまだ大して長いこと生きているわけじゃないけど、
枝葉の太く安定した先と稲穂が揺れる先に、
頭を垂れて感謝したんだ。
もっと先、文明と文化がキラキラひかって揺れてた。少しずつ長く細くなっていく命。


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