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当たるも八卦、当たらぬも八卦

東京では3月14日に桜の開花宣言が発表されましたが、これは記録的な早さとなった2021年と並ぶ記録だそうです。この分ではブルーベリーも早く収穫できそうです。開園日をいつにするか?悩ましい問題です。

ところで、桜の開花には「600℃」の法則というものがあり、次のようなものです。
桜の花芽は、開花前年の夏にはできています。それが秋から冬にかけて、生長しないように休眠状態に入って年を越します。そして充分に低温刺激を受けた後に気温がぐっと高まった段階で休眠から目覚めます。これを「休眠打破」といいます。東京では「休眠打破」の日を2月1日と仮定し、その日から毎日の最高気温を足して600℃に達する日が開花日となります。

これだぁ!ブルーベリーにも同じような法則を使えば、収穫時期が予測できるのではないか。調べたところ、次のようなことが分かりました。
・開花から収穫までの期間は、一日の平均気温を積算した温度で決まり、品種によって異なるが、大体1,000℃~1,200℃程度である。
・低温刺激に必要な低温要求温度は、果樹では一般に7.2℃とされている。
・そして低温要求温度以下にさらされている時間を積算し、低温要求時間に達すると休眠から目覚める。
・低温要求時間は品種によって異なり、サザンハイブッシュでは150~900時間、ノーザンハイブッシュでは700~1,000時間、ラビットアイでは350~800時間である。
だいぶ分かってきましたが、数字の幅が大きすぎてこれでは予測できません。また、休眠打破から開花までの条件も、調べてはみたのですがよく分かりません。
しかたがないので、この2年間の栽培実績と気温データから予測を行いました。とは言っても36種類全てを記録しているわけではなく、歯抜けのデータも多いので、推測の上の推測になってしまいますが、いいんです、やることに意義があるんです。

ハウスで栽培中

先ずはハウスで栽培しているブルーベリーの収穫時期を予測します。
実は、今年からハウスで促成栽培に挑戦しています。今年は試験的に12本ほど栽培していますが、2月初めには花を咲かせ、実も日々大きく育ってきています。こちらは既に開花しているので、1日の平均気温を足した積算温度で収穫時期が予測できます。この2年間の実績から、早生の品種の積算温度は、1,160℃と推定しました。それとこれまでの気温データと気象庁の過去データを駆使した結果、ハウスの収穫開始時期は4月19日になりました。ゴールデンウイークに来ていただけると、味見ができるかもしれません。

次に露地栽培の早生品種について予測してみます。そのためには、開花予測に必要な低温要求時間と、開花に必要な積算温度を求める必要があります。色々データを組合せ、カンピューターも駆使した結果、低温要求時間150時間、開花積算温度760℃と仮定し、開花は3月末、収穫開始は6月6日となりました。
昨年よりは1週間ほど収穫時期が早い予想です。
占いよりはましだと思いますが、当たるも八卦、当たらぬも八卦。

昨年は農園半分でのプレオープンでしたが、今年はいよいよグランドオープンし、1,100本のブルーベリーが皆様をお待ちしています。まもなくグランドオープン日も発表しますのでご期待ください。
(2023.3.25 小林  孝)


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