新たなソーラーシェアリングが始動
新たなソーラーシェアリグ発電所の建設が2月から始まり、先日工事が完了しました。
さがみこベリーガーデンでは既に4基の発電所が稼働していますが、今回5号機、6号機の2基の発電所が完成しました。
新発電所のキーワードは、「Non FIT、オフサイトPPA」です。
「Non FIT」:FITは使いません。
「オフサイトPPA」:ソーラーシェアリングの課題の一つに、農地では電気の需要がほとんどないため自家消費できず、発電した電気を離れた消費地へ届けなければならいという問題があります。今回、発電事業者である「たまエンパワー」と、電力小売事業者である「生活クラブエナジー」、需要家である「生活クラブ神奈川」との間で再エネ電力の売買契約を締結し、環境価値付きの電気を、長期に渡り安定して供給することができるようになりました。
■5号機発電所
設備容量:29.4kWDC(24.8kWAC)
発電した電気は、全て生活クラブ配送センターに送ります。下部では、ワイン用のブドウを試験的に栽培します。太陽光パネルの下でブドウが育つのか?一番気にかかる所ですが、大学の研究によると、遮光した方が成熟は遅れるものの収量・品質とも遜色ないという結果が出ています。数は少ないですが、ソーラーシェアリングでブドウ栽培をされている農家もいます。
また、隣の畑では、パネルの無い太陽光下でも同じ品種のブドウを栽培し、遮光下との違いを今後評価していきます。
■6号機発電所
設備容量:11.4kWDC(9.9kWAC)
この発電所の特徴は、自家消費+余剰売電です。発電した電気は、隣のハウスで消費し、消費しきれない分は「Non FIT オフサイトPPA」で生活クラブ神奈川へ送ります。これまでの発電所で作った電気は、FITで売電していました。そのため、農園で使う電気は、改めて電力会社から購入していましたが、ようやく自分達で作った電気を自分達で使えるようになり、農業の脱炭素化へ歩み始めることができます。
ここからは、発電所のできるまでを写真で紹介します。
●荷下ろし
●部材の搬入
●建設前の風景
●測量
●杭打ち
●架台設置
●パネル設置
●電気工事
●完成
工事が始まったちょうどその日、南岸低気圧の影響で関東地方は雪。その後も雪は溶けず、地面はぬかるみ、工事関係者の方々には大変ご苦労をおかけしましたが、さすがはプロ。予定通り工事は完了しました。
今回の建設にあたっては、「神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入補助金」にオフサイトPPAとして初めて採択されました。また、生活クラブ生活協同組合神奈川様、生活クラブ生活協同組合東京様に参画をいただきました。そして相模原市、ならびに地元の方々など多くの人たちにご協力いただきました。
今回建設する発電所の規模は小さなものです。しかしながら「Non FIT オフサイトPPA」を使った地産地消型ソーラーシェアリングの一つのモデルケースになるのではないかと思います。
是非一度お越しいただき、新しい発電所をご覧ください。
(2024.3.10 小林孝)
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