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ゆく年を思いつつ食べる年越し蕎麦、暑い日に食べるざる蕎麦。
私たちになじみの深い蕎麦は、日本原産ではなく中国からの伝来であると言われています。弥生時代の遺跡から蕎麦の花粉がみつかったことから、弥生時代には伝来していたと思われます。
発芽が早く痩せた土地でもできることから、「蕎麦作りに飢饉なし」という言葉さえある。蕎麦は沖縄を除く全国各地で栽培されており、生産量が多いのは東京以北の県です。佐賀県では、三瀬や七山辺りの山村で栽培されています。

蕎麦の種類

蕎麦の作り方により、十割蕎麦、二八蕎麦があります。この名称は蕎麦を作る時どの程度つなぎの小麦紛を加えるかによります。十割蕎麦は何もつなぎを入れないものでちぎれやすいです。つなぎに、卵、海苔、山芋などをいれる地方もあります。
白い更科蕎麦、黒い田舎蕎麦がありますが、蕎麦の実をどのように粉に挽くかによって色が異なってくるのです。

蕎麦の栄養

蕎麦は、大豆などに比べてたんぱく質含量は低いのですが、白米に比べると約2倍程度含まれ、良質です。微量成分として、穀物類の中では比較的多くのビタミンB1,B2を含みます。さらに、ムチンと称するポリフェノールが含まれ、降圧作用、酸化防止作用、血管防御作用、抗糖尿病作用などの多くの機能を有することが報告されています。蕎麦の芽、スプラウト、を動物に摂取させると、コレステロール、血糖値が低下することも分かっています(J. Ethnopharm, 2013)。
このように、蕎麦は栄養的には価値がある食べ物ですが、アレルギーもあり、蕎麦にアレルギーを持つ人は、食品を購入する際食品表示をしっかりと見ることが奨められます。

蕎麦の食べ方

蕎麦の食べ方として、ざる蕎麦・盛り蕎麦、かけ蕎麦、つけ蕎麦があります。つけ蕎麦には、油揚げをのせたきつね蕎麦、生卵をいれた月見蕎麦、鶏肉をいれた鳥南蛮蕎麦、山菜をのせた山菜蕎麦もあります。変わりだねとしてはコロッケ蕎麦もあります。要するに、蕎麦は何でも好きなものを組み合わせることができるという、“万能の食べ物”かもしれません。また、蕎麦の食べ方には地方独自のものがあり、岩手の「わんこ蕎麦」、新潟の「へぎ蕎麦」、出雲の「割子蕎麦」などが有名です。

新しい食べ方

スーパーの総菜を入れた発砲スチロールの上に、薄いスポンジあるいはキッチンタオルを置き、水を少し加えた後、蕎麦の種をまきます。10日ほどで芽が3-4センチになったところで、サラダとしてとてもおいしい、少しピンク色の茎がとてもさわやかな色取りを食卓に与えます。最近では、ガレットというフランスに起源のあるクレープ状(薄い餃子の皮のよう)もあります。フライパンに水でといた蕎麦粉を入れ、生地上に、チーズ、ベーコン、アスパラなど好きなものを乗せて焼きます。手軽でおいしい食べ物になります。

ガレット

池波正太郎作の「鬼平犯科帳」では、長谷川平蔵が蕎麦屋から盗賊を見張り、落語では、「時そば」が笑いを誘うなど、蕎麦は私たちの生活に溶け込んでいます。おいしく健康的な蕎麦を、いつも傍におきたいものです。




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