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おせちの歴史

「今年も早かった、もう一年過ぎた」、と何回、いや何十回言ったことでしょう。年末を迎え、今回は「おせち」について、栄養の面からお話しましょう。きれいに盛り付けられたおせち料理は、正月に私たちの気分を新たにしてくれます。おせち料理が定着したのは江戸時代と言われ、新しい年を祈願し食べました。おせちの代表には、黒豆、数の子、海老、レンコン、里芋、ゴボウ、栗きんとん、鯛などがあります。豊かな田園地帯が広がり、玄海灘、有明海を有する佐賀県では、これらの海の幸、山の幸は容易に入手できます。

1年の始まりを健康に!


黒豆は、まめに暮らすということでおせちには欠かせません。料理の際出てくる煮汁はアントシアニンという色素が含まれ、アントシアニンは血管の弾力を保つ作用があると報告されています。
赤い海老は、おせちの代表選手でしょう。赤い色はアスタキサンチンと呼ばれ、煮たり焼いたりすることで表れます。アスタキサンチンなどの色素類は野菜からも摂取でき、多く摂る人では筋力があり骨の密度が高いという報告があります。
れんこんは、穴があるために先を見通すということで、縁起物としておせちに入っているそうです。れんこんは、食物繊維が多いだけでなく、当ラボの研究ではれんこんは皮膚の光老化を抑制することを見つけ、特許出願しています(特許第6667773号)。

田作りは、かたくちいわしの小魚(ゴマメ)を甘辛く煮たものです。古くは小魚が田の肥料に用いられたことから、豊作を祈願しておせちの仲間に入っています。田作りはまるでカルシウムの塊ですね。
鯛は、言うまでもなく色合いから縁起ものです。鯛は見た目がいいだけでなく、おいしいですね。魚のたんぱく質は、動物のそれに比べてコレステロールを上昇させないことがわかっています。
おせちは縁起物でもあり、正月三が日、行く年忙しく働いた人達を家事から解放する意味もあります。
この他の食材として、かぶ、昆布巻き、するめなどもあり、また、地方独特の風習を取り入れたものもあります。色彩豊かでおいしく、かつ栄養的にもしっかりしたおせちを食べながら、新しい年を迎えたいものです。
ではよいお年を!

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