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【がん患者の徒然草】鎌倉の魚屋の親父の丁寧な仕事ぶりから、自分の生き方を見直してみた。

へぇ~、丸干しが日本経済新聞に包んであるよ!


日経新聞に包まれていた丸干し

 鎌倉の魚屋で買った丸干しを焼こうと包みをあけたら、日本経済新聞に包まれた丸干しが出てきた。魚屋なら新聞紙に魚を包むことは日常茶飯事だ。でも日本経済新聞に包まれた丸干しを僕は、見たことがない。大抵は、朝日新聞とか読売新聞などだ。

 ビジネスマンならともかく、魚屋の親父が日本経済新聞を読んでいることに僕は驚いた。まぁ、魚屋さんは、新聞紙を多く使用するので、ご近所さんから貰ったのかもしれないし、お客さんから頂いた物かもしれない。
 しかし、僕は、魚屋の親父が読んでいた新聞だと思っている。それは、お店の佇まいが綺麗だったからだ。その魚屋が、鎌倉の極楽寺駅から長谷寺駅迄の散歩の途中でふらっと立ち寄った『魚勘』だ。

鎌倉の魚屋さん『魚勘』

 奥さんと親父さんでやっている小綺麗な魚屋だった。写真の通り個人商店の雰囲気だが、お店の前は、綺麗に掃除されて、魚も丁寧に並べられている。また値札等も丁寧に並べられてあるので清潔感もある。

 さらに魚屋特有の生臭さもあまりない。魚を下処理した後もきちんと片づけてあるのだろう。決して高級とは言えないが、小綺麗なお店だった。
丸干しは、僕の大好物だ。それを知っている女房は、「あら、美味しそうね」と丸干し6本、360円で買ってくれた。

 日曜日の朝、遅い朝食を済ませてから自宅を出た。新緑を楽しむために女房と2人で鎌倉散歩と洒落込んだ。JR横須賀線の鎌倉駅で江ノ島電鉄に乗り換えて、極楽寺駅に着く。駅舎は二棟あり、旧駅舎はかなり古い木造形式で関東の駅百選に選ばれている。赤丸ポストが無人駅のレトロ感を醸し出していて、思わず写真を撮りたくなった。この駅は、数々の映画やドラマのロケ地に選ばれるのも納得の趣だ。

 極楽寺駅から左へ進むと、そこには由比ガ浜を見下ろす絶景が待っていた。桜は、もう終わっているだろうと思っていたが、鎌倉の桜は、まだ残っていた。1年の中で、ほんの一瞬のひとときに出会える贅沢な光景を観ることが出来た。

 長谷寺にも脚を伸ばした。長谷寺は、造立1300年を迎えた古い寺である。十一面観音菩薩像の高さは約10Mもある。日本最大級の木彫仏であり、圧巻される。お天気のいい日に極楽寺から長谷寺をぶらぶら散策する。青空が広がり、海もまっさお!道の向こうに海がある風景って素晴らしい♪

何よりも、日本経済新聞に包まれていた丸干しが美味い。

 僕は、病気になってから、終活を始めた。毎日、毎日、出来なくなったことを悔やんでいた、でも結局、何も解決していない。

 鎌倉の小さな魚屋さんだが、毎日、毎日丁寧に、きちんと仕事をすることの大切さを、丁寧に生きることの大切さ教えてもらった気がする。だから、いま自分にあるものに感謝し、「いまから、ここから」の気持ちで生きると心に決めた。

癌になって、死への不安や治療の副作用の辛さが続いている。
今日も雨が降っているような気分だけど、まだまだ元気だ。

だから、明日は、晴れるさ!

がんになってから、「お布施をすると気持ちが変わる」ことに気がつきました。現在「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」に毎月定額寄付をしています。いただいたサポートは、この寄付に充当させて頂きます。サポートよろしくお願い致します。