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高考の熱に飛び込む

高考(ガオカオ)とは中国のセンター試験のようなもの。

テレビやネットニュースをみていると、試験後にウッヒョ〜と試験会場から飛び出してくる高校生の姿があるけれど、実のところまあ地味である。

昨日は朝から高考へ向かう学生を送り出していた。

学校の門の前にはSWATやテレビ中継の人、近くのホテルのテントや携帯電話会社大手のファーウェイやオッポーのブースも。各会社の人はペットボトルを配布していた。スリーブ紙には頑張れ的なことと自社の名前が書かれている。お祭り騒ぎである。犬も来ていた。

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▲受験生を眺める犬

また、高考中は近隣でクラクションを鳴らさないよう公安から掲示が出る。当地はクラクションなぞ息をするように鳴らす文化があるため、これは大きな協力体制といえるであろう。

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試験を前にして、運営スタッフやボランティアの学生たちは赤い服を着てスタンバイ。ボランティア学生達は何をさせられるのか不明とのことで、隅の方でぽつねんと不安そうにしていた。教師からの信頼が厚く、いい子達オブいい子達なのであろう。

受験生を見ると、試験当日は私服でいいようで、日本の試験と違い英語プリントも可である。意外である。
そんなこんなで生徒達はお弁当を持ち込み2日間の試験に臨む。本人達に緊張しているかどうか聞くと、「全然緊張していない」とのことだった。ほかにも少し話す。私の任期の関係で、3年生に会えるのは今日が最後になる可能性が高い。この学年はコロナ禍ということで途中で投げ出したというのに、生徒たちは優しい。

開門直前に始まった3年生の決起集会は凄まじく、まさに出陣といった具合だ。拳をあげ、声を張り上げ、毛沢東の詩を吠える。教員も煽る煽る。

時節柄マスク姿で出陣(ほかにも様々な感染予防の工夫がとられているそう)。一部はバスに乗り込み別の会場へ。バスも高考仕様である。バスに手を振ると「さよなら」「頑張る」「おはようございます」などと返してくれる生徒たち。

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▲1台1台違う言葉。教養足りないので愉しめません。

そして試験1日目が終了。受験生が流れ出してくる。
泣いている人、頭に熱さまシートを貼った人、校門で母親を見つけ抱きつく人、椅子に座って無表情で一言も発さず微動だにしない二人組。これはこれでドラマチックと言えなくもない。

多くの生徒は「ふー疲れた疲れた」みたいな感じで淡々と帰っていく。

出迎えにきた親達の方が緊張しているようで、受験生の子を持つ馴染みのスーパーのママも「今日は本当に緊張してる」と不安そうにしていた。「この1年ずっとそうだったでしょ」と聞いたら「そうだった」とのこと。

ボランティア学生たちは、ぐったりしており「本当につかれた」「熱い」と言いながら、受験生に水を配ったりしていた。私もボランティア学生に赤い帽子を借りて、水を配ったりしてみた。満点、と書かれたTシャツを着ている学生が印象的だった。

こうして1日目がおわる。家に帰る生徒もいれば、学校に帰ってきて学生寮で過ごす学生もいる。

民族により加点が違ったり、省ごとに複雑なルールのある高考。多くの民族が一緒に学ぶ学校で、表面上かどうかはわからないがトラブルなく過ごす生徒たち。もう少し詳しく知りたい。

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