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ネコがいるからデリバリー

■デリバリーを使う


子猫が遊んでほしくてニャーニャーと鳴くので出かけるのに忍びなく、今夜は外売(ワイマイ)をしてみました。初、外売。ドキドキ。外売というのは、デリバリーサービスのことで、ウーバーイーツみたいなものです。
こちらでは“饿了么”や“美团”という会社が有名です。街を歩いていたり、レストランで食事をとっていると、それらの会社の制服を着た配達員によく出くわします。
今回使ったのは饿了么(ウーラマ)。
青い服と発音の頭文字である“e”のロゴが入ったバイクがトレードマークです。


まず、アプリに必要項目を登録します。
家や会社などの基本的な受け取り場所や、電話番号や名前、性別、支払いに必要な情報など。受け取り場所は、アプリ内の地図にピンを刺して設定できるので、かなり細かい指定ができます。(あまり詳しくありませんが、3つの衛星で地点を計測しているので地点はかなり正確に出ると聞いたことがあります。タクシーの配車のアプリではその正確さを実感することができました。)
外売の配達に関しては、オフィスビルの各フロアはもちろん、ホテルの部屋や、大学の教室にまで来てくれるんですよ。(配達員も忙しいので、ときには「ロビーまで来てよ」ということも。)便利ですが、ちょっと犯罪に使えそうで危ないなと思ってしまいます。
話が脱線しました。


登録が終わると、アプリ内で食べたいものを選びます。秒殺といわれるタイムセールなどもあり、それらの値段設定は頭がどうかしてしまったのでは?と思うほどの安さです。きっと宣伝ということなのでしょう。

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【麺の種類を選びます。なにがなんだか。】


アプリ内の料理は写真付きでわかりやすく、私のようなものにはありがたい限りです。大都市では各国料理や各地の料理など選び放題ですが、ここはそうではないのでまずまずの品揃え。おまけに今は春節前。民族大移動は既に始まっているのです。なんでもこの時期、中国国内では30億人が動くとか。人気店ほど早く春節休みや時短営業に入っているような気がします。人気の蘭州拉麺店や刀削麺店はすでにクローズ。あなや。いとくちをし。


別の店の“キノコと青菜の肉まん”がおいしそうだったので、買い物かごにいれました。このとき、店の評価や売上実績、料理ごとの感想も見ることができます。食べログみたいな感じです。実店舗があるところが比較的安心できます。(しかし、このアプリのことかはわかりませんが、悪い評価は店側が客に金を払って取り消させたりすることがあるとかないとかで、鵜呑みにはできません。)

買い物カゴに入れると「最低○元以上注文してね」という表示があるので、それに達するまで料理を選びます。間違いのなさそうな小籠包や餃子を放り込みます。小籠包は店の誠意が出ると私は最近思っているのです。どんな肉を使い、どんなものを添加し、どのように人気を得るのか。日本人の胃腸はそれをあばくことができるのです。
そんなことはさておき、最低注文金額は10元くらいの店が多いです。だいたい日本円で160円くらいね。料理によっては辛さや、麺の種類をカスタムすることができます。私には麺の違いがわからないのだけれど、皆こだわりがあるみたいです。
そしていよいよ決済。


希望配達時間や、受け取り場所、電子マネーの種類を最終確認します。このときに最短到着時刻も確認できます。今回は30分後に届けられるとのことで18:38と書いてありました。ここで、ネギなどの薬味・酢の有無や量、その他個人的な要望を店の人に伝えることもできます。
最後に「環境問題に取り組んでいます」ということで、箸などの要不要を聞かれます。不要にすると割引があります。割り引かれたいので不要を選択。もちろん、必要な分だけ箸をもらってもいいです。
お料理代金、配達料金、容器代の合算を携帯決済します。今回は配達料金は3元、容器代は有りませんでした。それに、店の初回利用クーポンが適用されてしめて12.5元。学食2食分の値段です。ちなみに北京の小金持ちオフィス街のフードコートではランチ50元、セブンイレブンのおにぎりはひとつ4元から(確か)、マクドナルドの一般的なセットで35元くらいです、ご参考までにお伝え致します。


容器が使い捨てなのですが、基本的にプラスチック容器で、中には土鍋の使い捨てなんかもあります。峠の釜めしのような感覚なのでしょうか。使い捨てのプラスチック容器も、二輪車での輸送に耐えうるものとなると結構頑丈です。スーパーで同じものを買って、タッパー代わりに使っていますが、さすがにこれを一度で捨てるのはちょっと惜しい気がします。凝ったお店だと、お店の名前入りのスプーンフォークお手拭き楊枝のセットが複数個入っていたりして、なかなかの石油量です。(スプーンやレンゲはなかなか丈夫でお菓子をつくったり、洗濯洗剤を掬ったりするのに重宝するのでストックしています。)

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【注文状況がわかります。配達員は騎士と呼ぶようですね。】


支払いが終わると、「店に注文が入ったよ」、「配達員が〇〇さんに決まりました」、「作り終わって配達員に渡したよ」「配達員は店から何メートル地点にいます」などとリアルタイムで通知が来ます。

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【どんな配達員が来るかわかります】

アプリ上では、配達員の身だしなみや態度など、項目ごとの評価やコメントもできますし、サービスが素晴らしいと思ったらチップをあげることもできます。そしてそれらの総合点で点数がつけられています。こちらの携帯アプリ周りのサービス業は個人に点数がつけられる時代です。これにより、配達員が荷物を食べてしまうなどのリスクを減らすことができます。聞いた話によると、この配達員はなかなかの高給取りたそうです。しかし、歩合制のため、配ってなんぼ、多く仕事を受けてなんぼの世界なので、運転は荒く、交通事故がたえません。
配送業は時として人の命や安全より優先するものがあるようで(そろばんを弾くとそのほうが儲かるからだとか)、競争の激しい都市部はよくよく気をつけなければなりません。北京の大使館周辺は監視カメラだらけ、私服警官だらけで事故が頻発しているのですから、他地域は言わずもがなです。

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【地図上で騎士が荷物を受取って走っています】


私の任地は田舎ですが、ここ半年で外売のバイクが確実に増えましたし、競争の激化からかどんどん運転マナーが悪くなっています。
配達員が到着すると、電話がかかってくるのでただ受け取ります。たまに電話が通じないことがあるのか、そとで配達員が大声で「外売、着きましたー!」とひたすら叫んでいることがあって不憫になります。


届いたご飯はこちら。

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【騎士は風のように去っていったので写真におさめられませんでした】


キノコと青菜の肉まんは、チマキっぽいものにかわっていました。途中、謎の番号からかかってきた電話は、きっと店からの品切れ連絡だったのでしょう。そんなこともあります。

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【キノコと青菜の肉まんはありませんでした、悲報】


箸はいらないといったのに入ってました。優しさですね。
・食事の時間が惜しいほどの仕事がある
・人がいる
・サービス業の賃金の安さ
・食の安全
・健康問題
・環境問題
・包装用品業者
・医療
・ヘルスケア
・介護・育児等の福祉
・経済発展のための貧困層の必要性
ほかにもほかにも
なんだかこの一件だけ見ても、いろいろな切り取り方があって、大きすぎるハサミを扱えずヨタヨタとただ立っております。
長くなってしまいました。


最後まで読んでくださってありがとうございました。
生活の中の携帯電話周辺のシステムは本当に目まぐるしくて、次々と実装されていくのでついていくのが大変ですが試してみると面白いです。マクドナルドは特に顕著で、あの店は最終的にどんな形態になるのだろうと思います。今は、携帯で注文と決済を済ませられるのでただ店内に入り座っているだけです。レジもそれらしいものはないです。ラーメン一蘭を電子化したら、かなり近いものになりそう。

2020/01/14選り抜き協力隊日記

【一言メモ】

携帯サービス、1年ひと昔。今はだいぶ違うかと。騎士と呼ばれる配達員は一か月後本当にその名にふさわしい働きをするのでした。日本でこんなに急速にウーバーイーツが浸透するとは思いませんでした。

今日本のマクドナルドは似た感じになっていますね。依然としてレジはあるけど。

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