生理の到来をママに告げた日

生理が始まったそのときのことより、ちょっと後になってママに相談したときのことの方がよく覚えてるんだ。

お皿を洗うママの手が、急に私の頬へ飛んできたときのこと。

私の頬は全く痛まなかったけど、悴んだママの手は赤くて痛そうだったの。

痛くしてごめんなさいって思って「ごめんなさい」って謝ったのに、ママはしゃがんで泣き出しちゃった。私を撃った手が痛くて、痛くて屈んじゃうくらい痛かったんだと思うの。

だから私は心の中でごめんなさいをもっとしながら、でも、泣いてるママの背中がどうしても怖くなって、トイレへ逃げ込んだんだった。

私は血液と頬に付いた洗剤とを、トイレットペーパーで必死に拭ったの。

それから必死になって千切るように掻き出したら、もっと血が出てきてね。

血を出すダメな存在になった私は、あのときのことずっと覚えてるんだ。

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