一寸の虫にも五分の魂〜恐怖への処方箋〜
夏は虫がこわい。外にいる虫はまだいい。家の中の虫がこわい。自分の家を脅かされるのが嫌だ。どんな虫でも嫌だ。Gはもちろん小baeのようなゴミに群がる奴等も嫌だ。特に梅雨明け。今くらいの季節。冬を越し虫が発生することなどとうに失念した生活が定着した頃に、冬眠を終えた奴等はやってくる。
私はそれを知っている。対策する。彼らの接近の危険性を常に把握し、あらゆる危険は排除する。万全に備えて生活している。つもりだった。夫が出張へ赴き家にひとりになって、ハッとした。夫がいる時、恐怖心は薄