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【徒然草】友とするに悪き者(第百十八段)

友とするに悪(わろ)き者、七つあり。
一つには、高く、やんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく、身強き人。四つには、酒を好む人。五つには、たけく、勇める兵(つはもの)。六つには、虚言(そらごと)する人。七つには、欲深き人。
よき友、三つあり。一つには、物くるゝ友。二つには医師(くすし)。三つには、智恵ある友。

【解釈】

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友達にするには向かない7つのタイプ。
ひとつは身分が高すぎる人。ふたつめは若さゆえに血気盛んな人。
三つめは、病気ひとつしたことがなくて人の痛みに鈍感な人。四つめは酒癖の悪い人。
五つめは勇ましすぎて争い事を好む武士。六つめはしれっと嘘をつく人。七つめは欲深い人。
一方で、良い友達のタイプは3種類。
ひとつは物をくれる友達。ふたつめは医者。みっつめは頭のいい友達。

友達を語る段。

確かにそうかも、と思う部分もなくはないけれど、総じてひどい論調です。

兼好って、あんまり友達いなかったんじゃないかなあ。

地位や家柄が高すぎるとお付き合いが大変とか、人の痛みが分からない人は困る、というのは何となくうなづけます。

でも、血気盛んでも酒癖が悪くても、それでも何だか気が合って愛おしいのが本当の友人、という気もします。

つい最近居酒屋さんの取材に行き、親しい仲間とだらだらとお酒を飲んでくだらない話をする時間がとてもとても恋しく、懐かしく感じました。

何ひとつ有益なものがなくても、楽しくて大切なのが、友との時間というもの。離れて暮らす友人とあまり会えなくなってしまった現在、そんなことを思います。

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